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Cinema 月明かりの映画館

フィール・グッド

Feel Good

2020–2021ドラマ・シリーズイギリス

465作品の星図のなかで見る

ストーリー

結末まで書いています。

回復中のノンバイナリーのコメディアンが、女性と付き合ったことのない女性に恋をする。愛もまた依存物質。

マンチェスターで活動するカナダ出身のスタンダップ・コメディアン、メイは、出演するクラブ「ギャグ・ビン」で、堅い中流家庭に育った中等学校の英語教師ジョージと出会う。ふたりはその夜を共にし、男性としか付き合ったことのなかったジョージは、三か月でメイの部屋に移り住む。だがメイの両親との電話で、ジョージは恋人が元コカイン依存症で、売人をして刑務所にも入っていたと知る。ジョージに促されてメイは薬物依存の自助グループに戻り、年上の参加者マギーが勝手に後見役を名乗り出る。一方メイは、ジョージが自分を友人に隠し、男と付き合っていると嘘をつくことに耐えられない。

シーズン1は、その傷を両側から見つめる。メイは恋愛そのものを新しい薬物のように扱い、離れているジョージにメッセージを送り続ける。ジョージがメイとの関係を友人に認めたのは、パーティーでの事故のあと、モルヒネが効いているときだけだった。ブラックプールでメイの両親、すぐにメイを責める母リンダと父マルコムに会い、ふたりは近づく。だがメイはひそかに鎮痛剤を飲み、舞台で、自分はトランスジェンダーかもしれない、いつかジョージに女として見られるのが怖い、と語る。ふたりは別れる。メイは再び薬に手を出し、マギーの娘と関係を持って、カナダの実家へ向かう。

シーズン2は、メイが18歳のとき以来のカナダの更生施設から始まる。イギリスに戻ると、ジョージは同僚エリオットと付き合っていたが、数週間でふたりはよりを戻し、セックスとロールプレイに逃げ込む。記憶の欠落とパニック発作から心的外傷後ストレス障害と診断されたメイは、その根にあるものをジョージに話す。十代のころ、ずっと年上の人々との秘密の関係の中で受けた性的虐待だ。そのひとりスコットは、メイが15歳のとき30歳だった。ジョージもまた、同性愛を嫌う父と、メイを支えることに費やしてきた自分の時間に向き合う。学校の発表会の舞台でメイが求婚すると、ジョージは断る。両親の監視の下で過ごすカナダで、ジョージはメイに「ノンバイナリー」という言葉を考えてみてはと勧める。メイはスコットに虐待を突きつけ、彼を抱きしめたうえで、二度と会いたくないと告げる。最後の場面で、メイとジョージは桟橋に並んで座っている。これまでになく落ち着いたふたりとして。

主な出演

  • メイ・マーティンメイ役

    マンチェスターで活動するカナダ出身のコメディアン。依存症から回復途中で、恋にも薬のようにのめり込む。

    メイの物語

    メイは出会って三か月のジョージと暮らし始めるが、コカイン、売人、刑務所という過去は明かさない。自助グループに戻されてマギーを後見役に得る一方、ジョージの友人たちから隠されることには耐えられない。隠れて鎮痛剤を飲み、舞台で、自分はトランスジェンダーかもしれない、いつかジョージに女として見られるのが怖いと語って、ふたりは別れる。薬に逆戻りしたメイは、18歳のとき以来のカナダの更生施設に入る。戻ってジョージとよりを戻すが、パニック発作と記憶の欠落から心的外傷後ストレス障害と診断され、15歳のとき30歳のスコットから受けた性的虐待に向き合っていく。カナダでスコットを抱きしめ、二度と会いたくないと告げ、最後はジョージと桟橋に並んで座っている。

  • シャーロット・リッチージョージ役

    中等学校の英語教師。男性以外と付き合うのは初めてで、そのことを周りに言い出せない。

    ジョージの物語

    男性としか付き合ったことのなかったジョージは、コメディの夜にメイと出会い、ともに暮らし始める。メイの依存症をその両親との電話で知って回復へ押し戻しながら、友人には男と付き合っていると嘘をつき、パーティーで大けがをしてようやく、友人の前でメイを恋人と認める。メイが鎮痛剤を隠していたと知り、ふたりは別れる。シーズン2では同僚エリオットと付き合うが、もっと激しいセックスを望むと彼は尻込みし、彼女はメイのもとへ戻る。同性愛を嫌う父とぶつかり、いつもメイを支えてばかりだと言われた彼女は、舞台での求婚を断る。カナダでは「ノンバイナリー」という言葉を考えてみてはとメイに勧め、最後はふたりで桟橋に並んで座っている。

  • リサ・クドローリンダ役

    カナダに住むメイの母。心を閉ざしがちで疑い深く、依存症だった年月のことで今もメイを責める。

  • エイドリアン・ルキスマルコム役

    メイの父。リンダより穏やかで、妻がずっとメイのせいにしてきた置物を壊したのは自分だと最後に打ち明ける。

  • フィル・バーガーズフィル役

    ジョージの憂鬱なルームメイト。思いがけずメイの友人になり、30年会っていない父を探す。

  • ソフィー・トンプソンマギー役

    薬物依存の自助グループの年長の参加者。メイの後見役を買って出ながら、疎遠な娘との関係を取り戻そうとする。

この作品が問いかけるもの

『フィール・グッド』は、隠すことをやめられないふたりのラブコメディだ。メイは依存症の過去を、そしてその下にある、十代で年上の人々から受けた性的虐待を隠している。ジョージはメイを友人から、自分の欲望を自分自身から隠している。メイ・マーティンが自らの人生をもとにジョー・ハンプソンと書いたこの作品は、依存からの回復とカミングアウトを同じ種類の仕事として描く。恥が黙らせてきたことを声に出すという仕事だ。セックスを、感じるための手段としても、感じないための手段としても率直に描き、性のあり方を、どんでん返しではなく、メイがまだ言葉を探しているものとして扱う。シーズン2は、メイの衝動の根にある虐待を名指しながら、一場面で解ける謎にはしない。残される問いは、愛が新しい薬物以外のものになりうるのか、ということだ。