I MAY DESTROY YOU / アイ・メイ・デストロイ・ユー
I May Destroy You
Journalでの言及
Journal同意は、続いていく会話のこと。ストーリー
結末まで書いています。
ドラッグを盛られた夜を再構成する作家。同意について作られた最も精密なテレビ作品。
ロンドンに暮らす二十代後半のアラベラ・エッシードゥは、ソーシャルメディアで人気を得て、最初の本で作家として名を上げた。出版社は翌朝までに2冊目の原稿を求めている。ひと息つこうと友人たちとバー「エゴ・デス」へ出かけた彼女は、翌朝、壊れた携帯を手に、夜の記憶を失って目覚める。残っているのは、トイレの個室で自分を見下ろす男の顔の断片だけ。飲み物に薬を盛られ、彼女はレイプされていた。
親友の売れない俳優テリーと、ゲイのクワーミとともに、アラベラは口を濁す友人とそのタクシーの領収書から夜をたどり直し、警察に届け出る。捜査は犯人を見つけられないまま打ち切られる。物語は彼女の周りに、名づけにくい別の侵害を見つけていく。作家仲間のゼインは性行為の最中に黙ってコンドームを外し、アラベラは文学フェスティバルの壇上で彼を告発する。クワーミは出会い系アプリで知り合った男に性的暴行を受けるが、届け出た警官は真剣に取り合わない。イタリア旅行でのテリーの三人での一夜は、他人のふりをした知り合い同士の男ふたりが仕組んだものだった。学生時代、アラベラとテリーがレイプの訴えを疑わせる側に回った同級生セオドラは、今はアラベラの通う被害者の会を主宰している。
アラベラは自分の体験をネットでの発信に変え、友人たちとの間に溝をつくり、出版社からは契約を切られる。女性との一夜がこじれたクワーミは、タイロンという男性とやさしい関係を築き、テリーは役をつかんで、トランス男性のカイと恋に落ちる。そしてエゴ・デスで、アラベラはついに自分をレイプした男デヴィッドを見つける。
最終話は、その対決を三度想像する。一度目は、セオとテリーとともに彼に薬を打ち、殴りつける。二度目は、警察に現行犯で捕まえさせるため、わざともう一度襲わせ、自分の怯えを語る彼の話に耳を傾けたあと、彼が連行されるのを見届ける。三度目は、彼を家に連れ帰って自分の主導でセックスをし、出ていくよう告げる。そして彼女は家にとどまり、もうバーには戻らない。数か月後、本は世に出て、物語は満員の朗読会で彼女が読み始めるところで終わる。
主な出演
ミカエラ・コールアラベラ役
ネットで人気の若いロンドンの作家。2冊目の締め切りに追われるなか、薬を盛られてレイプされる。
アラベラの物語
アラベラは、友人サイモンの言い逃れとタクシーの領収書から失われた夜をたどり直し、クワーミに付き添われてレイプを届け出る。犯人は見つからず、捜査は打ち切られる。作家仲間のゼインに黙ってコンドームを外されると、フェスティバルの壇上で彼を名指しする。学生時代に訴えを疑った同級生セオの被害者の会に通い、体験をネットで発信して友人たちを遠ざけ、出版社にも契約を切られる。あの夜テリーがサイモンに自分を置いていくよう言ったと知っても、責めずに友情への礼を言う。エゴ・デスでデヴィッドを見つけた彼女は、復讐を、逮捕を、自分が主導権を握る一夜を思い描き、そして家にとどまって、もうバーへは戻らない。数か月後、書き上げた本の満員の朗読会に彼女は立っている。
ウェルシュ・オピアテリー役
学生時代からのアラベラの親友で、売れない俳優。彼女を支えながら、イタリアでの自分の体験とも向き合う。
テリーの物語
テリーはオーディションになると固まってしまう俳優で、親友の成功を少しうらやんでもいる。イタリア旅行では、互いに他人に見えたふたりの男と一夜を過ごすが、ずっとあとになって、ふたりが仕組んでいたと気づく。ロンドンではアラベラに、被害と向き合い、書くよう迫りながら、あの夜サイモンにアラベラを置いていくよう言ったことは黙っている。それを知ったアラベラは、責めずに友情への礼を言う。ようやく役をつかみ、トランス男性のカイと付き合い始めて、自分の戸惑いと向き合う。デヴィッドとの対決を思い描くどの場面でも、彼女はアラベラの隣にいる。数か月後、テリーはカイと愛し合い、不安を演技に変えてテレビの広告に出演し、アラベラとの友情はかつてなく深い。
パーパ・エッシードゥクワーミ役
アラベラのゲイの親友。出会い系で会った男から性的暴行を受け、警察にも取り合ってもらえない。
クワーミの物語
クワーミは、レイプを届け出るアラベラに付き添って警察へ行く。まもなく彼自身が、出会い系アプリで会った男に、行為のあと帰ろうとしたところを引き止められ、性的暴行を受ける。届け出ても、警官は真剣に取り合わない。行きずりの相手を重ねたあと、ある女性とゲイであることを告げないまま関係を持ち、打ち明けると部屋を追い出される。アラベラとテリーは、それを欺きだと責める。彼女を昼食に誘って謝るが、許されない。やがて出会ったタイロンは、料理をつくり、デートに連れ出し、急いで体を重ねようとはしない。虚勢の抜けたクワーミは、ハグしてほしいと口にする。終盤の彼は、初めて恋人と呼べる相手とともにいる。
この作品が問いかけるもの
このドラマは、「同意」という言葉が難しくなるあらゆる場所を描く。アラベラのレイプは、薬を盛った見知らぬ男という明白な事件だが、それでさえ記憶も容疑者も残らず、捜査は閉じられる。その周りにミカエラ・コールは、もっと名づけにくいものを置く。こっそり外されたコンドーム、嘘によって得られた「いいよ」、数分前には望んでいた性行為のあとに受けた暴行、友人たちのせいもあって信じてもらえなかった十代の少女。コールは自身の体験をもとにした。2018年の講演で、前作『チューインガム』の執筆中に性的暴行を受けたと語っている。本作は彼女にエミー賞の脚本賞をもたらした。結末は、復讐の満足も赦しの満足も拒む。代わりに問うのは、誰かが罰せられるのを待たず、被害を受けた人が自分の物語の書き手になるとはどういうことか、だ。