Tokyo Idols
ストーリー
結末まで書いています。
アイドルと中年男性ファン。見られる少女性の経済。
日本出身の映像作家、三宅響子が監督したドキュメンタリーで、英国放送協会も加わったイギリスとカナダの共同製作。2017年1月にサンダンス映画祭で初上映され、日本でも英語の原題のまま配信された。描かれるのは日本のアイドル、つまり男性を中心とするファンのために歌い踊る少女や若い女性たちだ。映画によれば、アイドルを名乗る十代の少女は日本におよそ1万人いる。
ファンに「りおりお」と呼ばれる柊木りおは、撮影開始時19歳。アイドルとしてはもう若くない。「ずっとは続けられない」と彼女は言い、アイドル活動を歌手になるための修業と考えている。ぬいぐるみに囲まれた自室から活動を小さな会社のように切り盛りし、毎日ネット配信をし、ファンレターに返事を書き、グッズの注文も自分で発送する。ネットでしか彼女を知らないファンのために、自転車で日本を回り、即席の舞台で歌う。
おそろいの黄色いシャツを着た中心的なファン「りおりおブラザーズ」は、ペンライトを振り、声をそろえて叫ぶ。まとめ役のヨシダ・コウジは43歳。ライブや握手会に年に何千ドルも使う。握手会では、お金を払って写真を撮り、一、二分だけ言葉を交わす。自分の人生は楽で平凡だったと言い、りおの夢を支えるうちに、自分ももっとやれると思えたと語る。結婚しかけた恋人がいたのにアイドルを選んだと話すファンもいる。映画はさらに、もっと幼い演者たちへとカメラを向ける。ファンと会う10歳の少女がいて、もっと年上なら興味はないと言うファンがいる。
経済学者や社会学者、記者たちは、この熱狂を不況や、結婚できないと感じる男性たちと結びつける。作家の北原みのりは、アイドル文化は女性に男性の承認を求めるよう教えると語る。終盤、りおは21歳。レコード会社と契約し、作曲家ヒャダインと組み、プロの歌手になった自分はもうただのアイドルではなくアーティストだと語る。
主な出演
この作品が問いかけるもの
この映画が問うのは、大人の男性が、若さに価値を結びつけられた少女や若い女性との時間にお金を払うとき、そこで何が売り買いされているのか、ということだ。仕組みははっきり示される。毎日の配信、ディスク、ライブ、有料の握手。そして19歳でもう年長とされる職業。映画は男性たちを怪物にはしない。コウジの孤独も、ファンどうしが見つけた仲間意識も丁寧に映し、りおは自分の小さな事業を冷静に経営する人として描かれる。だからこそ落ち着かない。誰もが自分で選んだと言える仕組みを見せたうえで、その選択が何を守っているのかを、フェミニズムの論者に言わせるのだ。残る問いは、少女の価値を決めるのは誰なのか、そして彼女がその答えをどれほど早く学ばされるのか、ということだ。