恋愛ドラマな恋がしたい
I Want a Drama-Like Romance
ストーリー
結末まで書いています。
俳優志望の若者が恋愛ドラマの稽古を通じて恋をする。虚構と本心が溶け合う。
『恋愛ドラマな恋がしたい』は、放送作家の鈴木おさむが企画したアベマの恋愛リアリティ番組だ。若手俳優の男女8人が恋愛ドラマの撮影に臨む。話ごとにふたり一組でオーディションが行われ、演技の先生が選んだ主役の男女には、キスシーンのある台本が渡される。カメラは撮影現場とその外側を追い、恋を演じる俳優が本当に恋に落ちるのかを見つめる。シーズン1から6まではお笑い芸人の渡辺直美がスタジオの司会を務め、ジャルジャルの福徳秀介、谷まりあらが並んだ。
2018年5月から7月に配信されたシーズン1。最初のオーディションを勝ち抜いたのは、はっしーとりぽぽ。二度目はりゅうたろうとうみちゃんだった。日本で俳優を目指すテジュは、二度主役に選ばれる。一度目はこめちゃんと、二度目はひめちゃんと。ひめちゃんはオーディションに続けて落ちていたが、テジュはいつも彼女と組みたいと言い続けていた。こめちゃんに想いを寄せるあがたは、彼女との主役をつかむ。だがこめちゃんの心は、りゅうたろうに向いていた。中盤の夏合宿では、女性たちがそれまでの想いを打ち明ける中間告白が行われる。
最終回、先生が配った台本は白紙だった。最後のドラマは台本のないドキュメンタリー。告白できるのは女性だけで、両想いになったふたりだけが最後のキスシーンに出演できる。りぽぽは、自信がなくて自分ははっしーの隣に似合わないと思っていたと打ち明け、はっしーはそれを受け入れる。ふたりはそのままキスシーンを撮る。こめちゃんとうみちゃんはそろってりゅうたろうに告白するが、彼は、人としては好きでも恋愛感情ではない、自分の気持ちに嘘はつけないと、ふたりとも断る。その告白を、あがたはそばで聞いていた。ひめちゃんの告白を、テジュは受け入れる。だが撮影の中で彼は、今は仕事にすべてを注がなければならないと告げ、一、二年後、自分に満足できる日が来たら自分から告白すると約束して、彼女の額にキスをする。ふたりは、彼が役者として一人前になるまで付き合わないと決めた。シリーズはアベマで10シーズンを重ね、2023年には、日本の女優と韓国の俳優が組み、ソウルで撮影したネットフリックス版も作られた。
主な出演
渡辺直美司会
お笑い芸人。シーズン1から6までスタジオの司会を務め、オーディションとキスシーンを見守った。
三秋里歩参加者
りぽぽ。最初のオーディションではっしーと主役を勝ち取り、最終回に彼へ告白して結ばれる。
橋本裕太参加者
はっしー。りぽぽと最初の主役を演じ、最終回に彼女の告白を受け入れる。
岡田龍太郎参加者
りゅうたろう。うみちゃんと主役を演じる。最終回にこめちゃんとうみちゃんから告白されるが、どちらも断る。
テジュ参加者
日本で俳優を目指す青年。二度主役に選ばれ、ひめちゃんの想いに応えながらも、仕事を優先すると決める。
姫野佐和子参加者
ひめちゃん。オーディションに二度続けて落ちたのち、テジュと主役を演じ、最終回に彼へ告白する。
この作品が問いかけるもの
『恋愛ドラマな恋がしたい』は、俳優がふだん胸にしまっておくよう求められる問いの上に成り立っている。親密さが仕事の一部であるとき、気持ちはどうなるのか。ここではキスが賞品だ。ふたり一組でオーディションを受け、勝ち残った者だけがカメラの前でキスをする。だから名前を知られたい若い俳優たちにとって、どの場面も仕事であり、競争であり、恋の駆け引きでもある。番組はその三つを最後まで切り分けない。そこに面白さがある。最終回の白紙の台本が、それを認めている。最後のドラマはドキュメンタリーになり、俳優たちはあのキスが何だったのかを自分の言葉で語らなければならない。単純な答えばかりではない。テジュは、ひめちゃんの想いに応えながら、仕事が先だと待つように頼む。野心と恋が、始まったばかりのキャリアの中でせめぎ合う姿が、率直に残る。