ホリデイラブ
Holiday Love
ストーリー
結末まで書いています。
単身赴任中の夫の不倫相手は、赴任先で働く人妻だった。二つの家庭を巻き込む修羅場。
高森杏寿は自宅でネイルサロンを営みながら、幼い娘の七香を育てている。夫の純平は大手ゼネコンに勤め、地方に単身赴任中で、帰ってくるのは週末だけだ。ある日、見知らぬ男・井筒渡が現れ、あなたの夫は不倫をしていると告げる。ほどなく純平が、殴られた姿で帰宅する。渡は、妻の里奈と純平が自宅で一緒にいるところに踏み込み、純平に手を上げたのだった。里奈は純平の赴任先に入ってきたパートの事務員で、ふたりは知人の結婚式で出会っていた。杏寿は純平を家から追い出す。
束縛の強い夫とのあいだにふたりの子がいる里奈は、純平をあきらめない。杏寿のネイルサロンに来た新しい客が、杏寿の携帯に勝手にアプリを入れ、それを通じて杏寿は、黒井と名乗る若い経営者と出会う。杏寿はホテルの一室まで行くが、思いとどまって部屋を出る。だがベッドの上のふたりは隠し撮りされていて、その写真は純平に、店の常連客に、保育園のママ友たちにまで届く。七香は園で仲間外れにされる。杏寿の親友・春田龍馬が調べると、黒井は偽者で、正体は里奈の元交際相手・志賀拓巳だった。里奈に弱みを握られ、杏寿を誘惑するよう仕向けられていたのだ。
東京の本社に異動になった純平は関係を断とうとするが、里奈は会社に復帰し、社内にはふたりの噂が広がる。杏寿はネイルサロンに勤め始め、純平に家へ戻るよう告げる。ひとりで子どもたちの世話をするようになった渡は、自分にも非があったと気づき始める。純平から受け取った慰謝料を返しに来て、里奈にも戻ってこないかと持ちかけるが、里奈は拒む。子どもたちを連れて行こうとすると、子どもたちは父親のもとに残ることを選ぶ。
七香の卒園式の日、里奈は七香に近づき、自分は未来のママだと名乗る。そして杏寿の前に現れ、純平を好きになったわけを語る。いつかファミレスで火災報知器が鳴ったとき、動けずにいた息子を純平が抱き上げて連れ出してくれた。あのとき、結婚相手を間違えたと思ったのだと。純平は、生まれ変わっても君と一緒になることはないと告げる。里奈は純平の会社の本社ロビーに現れ、そこにいる全員に向かって不倫を暴露し、警備員を振りほどいて道路へ飛び出し、車にはねられる。命を取り留めたことだけが明かされる。純平は会社を辞め、高森家は家を売って、家族でゼロからやり直す道を選ぶ。
主な出演
仲里依紗高森杏寿役
自宅でネイルサロンを営む母親。夫の不倫を知り、夫婦をやり直そうと闘う。
高森杏寿の物語
杏寿は単身赴任の夫の留守を守り、客の爪を整えながら娘の七香を育てている。見知らぬ男・渡に、夫の純平が自分の妻と不倫していると告げられ、純平を家から追い出す。新しい客に入れられたアプリで黒井と名乗る男と知り合い、ホテルの部屋まで行くが、思いとどまって部屋を出る。それでも隠し撮りの写真が純平に、常連客に、保育園のママ友に送られ、七香は園で孤立する。自宅のサロンを閉めて別の店で働き始め、里奈には、もう自分の人生に関わらないでと告げ、純平に家へ戻るよう伝える。七香に近づいた里奈が自分の前に現れると、純平の幸せはどこにあるのかと問い返す。純平が会社を辞めると、ふたりは家を売る。私だって働いている、ゼロからやり直せばいいと杏寿は笑う。
塚本高史高森純平役
杏寿の夫で、単身赴任中のゼネコン社員。里奈との不倫がすべての発端になる。
高森純平の物語
純平は知人の結婚式で里奈と出会い、単身赴任先で関係を断ち切れなくなる。里奈の夫・渡に踏み込まれて殴られ、傷だらけで帰宅して妻に打ち明け、家を追い出される。夫のもとを出た里奈が社宅に押しかけてくると、突き放しきれずに揺れ、同僚や上司から不倫を疑われる。東京の本社に戻るのを前に関係を断とうとし、卒園式の前日に家へ帰ると、里奈から贈られた花束の中に杏寿の手紙を見つけて泣き、妻に迎え入れられる。やがて杏寿の前に現れた里奈の横を素通りして妻のもとへ行き、死んでも、生まれ変わっても、君と一緒になることはないと告げる。里奈が本社のロビーで不倫を暴露し、通りへ飛び出して車にはねられたあと、純平は会社を辞め、一家は家を売ってやり直す。
松本まりか井筒里奈役
ふたりの子を持つ既婚の母で、純平の赴任先のパート事務員。純平をあきらめきれず、夫婦を引き裂こうと画策する。
井筒里奈の物語
里奈にはふたりの子と束縛の強い夫・渡がいて、純平こそ結婚すべき相手だったと思い込んでいる。関係が知れても身を引かず、元恋人の志賀拓巳に黒井と名乗らせて杏寿を誘惑させ、隠し撮りの写真をばらまく。渡に家を追い出されると純平の社宅に押しかけ、職場にも戻る。戻ってこないかと渡に言われると激高し、息子にはパパといたいと言われる。杏寿の前に現れ、ファミレスで火災報知器が鳴ったとき、動けなくなった息子を純平が抱き上げて連れ出してくれた日に、結婚相手を間違えたと思ったのだと語る。純平には、生まれ変わっても一緒になることはないと告げられる。本社のロビーで不倫を暴露し、警備員を振りほどいて通りへ飛び出し、車にはねられる。命は取り留める。
中村倫也井筒渡役
里奈の夫。束縛が強く、不倫を暴いた当人だが、やがて自分の非にも気づいていく。
山田裕貴志賀拓巳(黒井と名乗る男)役
里奈の元交際相手。黒井という若い経営者になりすまし、里奈の指図で杏寿に近づく。
平岡祐太春田龍馬役
杏寿の親友。彼女を支え、黒井と名乗る男の正体を突き止める。
この作品が問いかけるもの
『ホリデイラブ』は不倫をめぐるサスペンスの形をとっているが、その底にあるのは、代償が誰にどれほど偏って降りかかるかという問題だ。純平は不倫をして、それでも家に迎え入れられる。杏寿はホテルの部屋まで行って思いとどまり、部屋を出た。それなのに隠し撮りの写真が店の客や保育園のママ友に送られ、娘は園で孤立する。妻はたちまち辱められ、夫はなかなか責められない。私的な写真はたやすく武器になる。作品はそれを見ている。里奈は恐怖の対象として描かれ、放送中は松本まりかの演技が交流サイトの話題をさらった。けれど、自分はすべてを失ったのに彼は何事もなかったように生きている、というロビーでの叫びは、見当違いとも言い切れない。結末は夫婦を救うが、その救いの代価が何で、それを誰が払ったのかは、開かれたまま残る。