ねほりんぱほりん
Nehorin Pahorin
ストーリー
結末まで書いています。
人形が匿名ゲストにねほりはほり。パパ活、サレ妻・サレ夫、元薬物使用者。公共放送で最も率直な部屋。
『ねほりんぱほりん』は、顔を出しては語れない話をもつ人に話を聞き、その人を人形の中に隠してしまう、日本放送協会の教育テレビのトーク番組だ。聞き手はソファに座る2匹のモグラ。ねほりんの声は南海キャンディーズの山里亮太、ぱほりんの声は俳優でタレントの女性が担当する。その回の「訳ありゲスト」は仮の名前で、ブタの人形になって登場する。ブタなのは「タブー」を逆さにしたから。難しい言葉が出てくると、ニュースキャスター風のウシ、ウシ澤典夫が現れて解説する。声は長く日本放送協会のアナウンサーを務めた石澤典夫だ。最後は、夜更けのねほりんとぱほりんの家の遠景に「ニンゲンっておもしろい」の文字が出て終わる。
トークは先にラジオブースで収録し、編集する。人形の操演者も収録に同席してゲストのしぐさをつかみ、ゲストに似せたブタの人形が作られる。そのあと、編集した音声に合わせて人形劇を撮影する。取材から放送まで、最低でも4か月かかる。登場したゲストは、元薬物中毒者、痴漢えん罪を経験した人、パパ活女子、児童養護施設で育った人、ホストに貢ぐ女性、わが子を虐待した人、香港のデモに参加していた人、配偶者に浮気された人、派遣型風俗のドライバー、元ヤングケアラーなど。
2015年7月、『ねほりんはほりん』の題で特番として始まったが、過去に他局が似た題名の番組を放送していたとわかって改題し、2016年10月にレギュラー化した。2017年からは毎年秋から翌春にかけて新しいシーズンが放送され、元日の未明には長時間の特番も組まれる。2025年10月から2026年3月までが第10シーズンだった。
主な出演
この作品が問いかけるもの
『ねほりんぱほりん』は、偏見や烙印を扱う番組がいつも突き当たる壁を越えてみせた。いちばん語るべきことをもつ人ほど、顔を出せないという壁だ。制作統括はこの人形劇を「新しいモザイク」と呼ぶ。確かにモザイクのように働くが、表情をぼかすのではなく、むしろ表情を足していく。どぎつい話も、どこか優しく聞こえる。柔らかなぬいぐるみの向こうにあるのは、テレビでもっとも重い主題だ。依存症、虐待、性風俗、刑務所、パパ活、裏切り、戸籍や在留資格のない人生。それが公共放送の教育チャンネルで、子ども向け人形劇の伝統を受け継ぐ形で放送されていること自体に意味がある。誰も戒めの見本にも、見世物にもされない。毎回の最後に出る言葉は、はっきりそう主張し、30分ごとにそれを確かめさせる。ニンゲンっておもしろい。社会が聞きたがらない人も含めて。