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Cinema 月明かりの映画館

ねるとん紅鯨団

Neruton Benikujira-dan

1987–1994リアリティ日本

465作品の星図のなかで見る

ストーリー

結末まで書いています。

バブル期の集団お見合い番組。“ねるとん”を日本語にした原点。

『ねるとん紅鯨団』は、集団お見合いパーティーをそのままテレビにした、フジテレビ系列の土曜深夜番組だ。1987年10月から1994年12月まで、とんねるずの石橋貴明と木梨憲武の司会で放送された。題名は、「とんねる」を逆さにした「ねるとん」と、前番組の題名にあった「紅鯨団」を組み合わせたもの。当初は毎回企画が変わったが、集団お見合いの回が大当たりし、やがて番組そのものになった。

毎週、テーマごとに公募された一般の男女が十数人ずつ、ロケ地に集まる。スポーツマン、車好き、高校生、医学部生、北海道や九州の人々。海辺、遊園地、船の上。とんねるずのどちらかが現地に出向いて進行する。まず男性陣が自己紹介し、画面には年齢や特技、彼女いない歴が映し出される。石橋が進行する回では、彼がひとり先に女性陣を見に行く。決め台詞は「タカさんチェック」。対面のあと、男女は特技を披露し合い、第一印象を明かす。続くフリータイムでは、男女が二人きりになって話し込む。司会はモニターを見ながら実況し、ひとりでいる参加者を呼んで助言した。

そして告白タイム。男性はひとりずつ意中の女性の前に立ち、手やプレゼントを差し出す。同じ女性を狙う男性がいれば「ちょっと待った!」と叫んで隣に並ぶ。女性は選んだ相手の手を取るか、「ごめんなさい」と頭を下げる。断られた男性はたいてい走り去り、ときには海へそのまま飛び込んだ。バレンタインの時期には、女性が告白する回もあった。数組が成立する週もあれば、一組も生まれない週もある。深夜番組でありながら平均視聴率はおよそ17%、1989年3月には24.7%に達した。1994年、日本テレビが同じ土曜の時間帯に恋愛トーク番組を始めたその年の12月に、番組は終わる。年末の芸能人特番は2004年まで続いた。

主な出演

  • 石橋貴明司会

    とんねるずのひとり。「タカさんチェック」や「大どんでん返し」の決め台詞で番組の顔となった。

  • 木梨憲武司会

    とんねるずのひとり。石橋と交代で、現地でのお見合いの進行を務めた。

  • 皆口裕子ナレーション

    声優。番組の初代ナレーターを務め、1999年の芸能人特番でも再び語りを担った。

この作品が問いかけるもの

『ねるとん』は、番組より長く生き残る恋愛の言葉を日本語に残した。「彼女いない歴」、男女がふたりきりで話す「ツーショット」、恋敵が割って入る「ちょっと待った」、成立確実と思われたふたりが崩れる「大どんでん返し」。土曜深夜の番組から生まれた言葉が日常に広がり、「ツーショット」は1990年に『現代用語の基礎知識』にも載った。ある回顧記事によれば、番組の新しさは、一般の参加者が自由に動き、芸能人が支える側に回ったことにあり、視聴者は本物の恋をのぞく気持ちになった。のちにスポーツ誌は、早すぎたリアリティショーと呼んでいる。同時にこの番組は、公開の場での拒絶を笑いのオチに変えた。「ごめんなさい」のあとに海へ走っていく若者。誰かを求めることを観客の前の出来事にしたのは、このジャンルに名前がつくずっと前だった。