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Cinema 月明かりの映画館

【推しの子】

Oshi no Ko

2023–2026アニメ日本

465作品の星図のなかで見る

ストーリー

結末まで書いています。

アイドルが秘密裏に出産。恋愛リアリティやスキャンダルを解剖する芸能界もの。

高千穂の病院に勤める産婦人科医・雨宮吾郎は、十六歳のアイドル星野アイの熱心なファンだ。その熱は、かつて受け持った重い病の少女、天童寺さりなから受け継いだものだった。双子を身ごもったアイがひそかに現れ、吾郎は出産を引き受けるが、出産の夜、アイのストーカーに崖から突き落とされる。目を覚ますと、彼は記憶を持ったままアイの息子アクアに生まれ変わっていた。双子の妹ルビーは、さりなの生まれ変わり。ふたりとも、相手が誰だったのかを知らない。

アイは子どもを隠したまま頂点へ駆け上がるが、東京ドーム公演の当日、自宅でストーカーに刺され、子どもたちに愛していると告げて息を引き取る。犯人は自ら命を絶つ。アクアは、アイの住所を教えた者がいると見抜き、顔も知らない父親を疑う。

十年後。アイドルを目指すルビーの一方で、アクアはアイを知る人々に近づくため役者になる。ドラマの現場では落ち目の元天才子役・有馬かなと再会し、恋愛リアリティ番組では舞台女優の黒川あかねと出会う。悪役に編集され、ネットの中傷にさらされたあかねは、命を絶つ寸前でアクアに救われ、ふたりはその後、カメラの前の恋人を演じ続ける。ルビーは、かなと人気配信者を誘って母のいたグループを復活させる。

第2期、舞台でかなとあかねがぶつかり合う陰で、アクアは共演者の遺伝子を密かに調べる。主演の姫川大輝は異母兄弟で、大輝の父とされる男はとうに亡くなっていた。復讐は終わったと信じたアクアが、あかねを本当に愛そうとする一方で、ルビーは高千穂の洞窟で吾郎の白骨を見つけ、犯人に共犯者がいたと知って、自らも復讐に生きると決める。

第3期、あかねは本当の父親が、かつて自分の劇団にいた役者カミキヒカルだと突き止める。少年だったカミキは、大輝の母である女優・姫川愛梨から性的虐待を受けていた。役を求めて訪ねた監督に言い寄られたかなが週刊誌に撮られると、アクアは自分たちがアイの子だという秘密を差し出して、その記事を潰す。ルビーと決裂し、あかねを守るために別れを告げ、五反田監督とともにカミキを暴くための映画「15年の嘘」を動かす。カミキは人知れず、最初にアイ役に決まった女優の命を奪う。その役を勝ち取ったのはルビーだった。かなはグループを離れて役者に戻る。さりなを見捨てた前世の母の姿に崩れかけたルビーを前に、アクアは妹の正体を悟り、自分が吾郎だったと明かす。双子はようやく和解する。第3期は撮影開始の一週間前、アクアの心が危うくなっていると壱護が案じるところで終わる。アニメは原作全16巻のうち13巻の半ばまでを描き、完結編となる第4期の制作が発表されている。

主な出演

  • 大塚剛央星野アクア役

    アイの息子。前世の医師・吾郎の記憶を持ち、母の死の黒幕を探すために芸能界に入る。

    星野アクアの物語

    高千穂の産婦人科医・雨宮吾郎は、推しのアイドル・アイの出産の夜、彼女のストーカーに殺され、その息子アクアとして目を覚ます。目の前で母が刺し殺されると、誰かが犯人に住所を教えたと見抜き、顔も知らない父親を探し出すと誓う。妹のオーディションを陰で潰し、アイを知る人々に近づくために役者になり、あかねの洞察力を利用する。遺伝子検査で復讐は終わったと思い込んであかねを本気で愛そうとするが、父は生きていた。かなのスキャンダルを潰すために出生の秘密を差し出し、あかねを守るために別れ、カミキヒカルを暴く映画を仕掛ける。崩れかけたルビーにさりなの面影を見て、自分が吾郎だったと明かし、妹と和解する。撮影の一週間前、壱護は彼の心の危うさを案じている。

  • 伊駒ゆりえ星野ルビー役

    アクアの双子の妹。病で亡くなった少女の生まれ変わりで、母のようなアイドルを目指す。

    星野ルビーの物語

    天童寺さりなは、病院のベッドでアイに憧れ、主治医の吾郎に恋をしたまま、12歳で亡くなる。アイの娘ルビーとして生まれ変わった彼女は、母が殺されたあともさりなの夢を手放さず、スカウトをきっかけに、かなや配信者の仲間と母のいたグループを復活させる。高千穂の洞窟で吾郎の白骨を見つけ、吾郎とアイを殺した男に共犯者がいたと知ると、復讐に生きると決める。壱護の助言で自分を演出し、番組の騒ぎまで仕組んで名前を売っていく。アクアが自分に黙って出生の秘密を週刊誌に差し出すと、彼を拒絶する。映画「15年の嘘」でアイ役に選ばれた彼女は、さりなを見捨てた前世の母が新しい家族と暮らす姿を見て崩れ落ちる。アクアが自分は吾郎だったと明かし、双子は和解する。

  • 高橋李依星野アイ役

    物語の中心にいる十代のアイドル。双子の存在を世間に隠し、ストーカーに命を奪われる。

    星野アイの物語

    アイは、窃盗で捕まった母が迎えに来ないまま施設で育ち、自分をスカウトした社長の壱護に、人の愛し方がわからないと打ち明ける。嘘でも愛してると言い続ければいつか本当になるかもしれない、という彼の言葉で、彼女はアイドルになる。グループ結成4年目の16歳で双子を身ごもり、高千穂でひそかに出産すると、子どもたちを社長の子ということにして復帰する。嘘はとびきりの愛だと信じ、ファンに嘘をつき続けながら頂点へ駆け上がり、五反田監督には本当の自分を撮ってほしいと頼む。東京ドーム公演の当日、自宅を訪れたストーカーに刺される。自分を刺した男にさえ優しく語りかけ、アクアとルビーに愛していると告げて、その言葉が嘘ではないと知りながら息を引き取る。

  • 潘めぐみ有馬かな役

    仕事の減った元天才子役。ルビーのアイドルグループでセンターを務め、アクアに惹かれていく。

  • 石見舞菜香黒川あかね役

    人の内面を読み解く才能を持つ舞台女優。恋愛リアリティ番組で追いつめられ、やがてアクアの恋人になる。

  • 大久保瑠美MEMちょ役

    年齢を若く偽って活動する配信者。家族を支えるために諦めたアイドルの夢を、ルビーのグループで追い直す。

この作品が問いかけるもの

『【推しの子】』は、推しのアイドルの子に生まれ変わるという寓話から始まり、若者を売り物にする芸能界が彼らに何を求めるのかを、長い時間をかけて見つめていく。アイドルは誰のものでもないように見えなければならず、妊娠は隠され、恋人の存在はスキャンダルになる。熱狂はつきまといに変わり、恋愛リアリティ番組は十代の少女を悪役に編集して、あとは見知らぬ人々の中傷にゆだねる。この展開は、2020年に亡くなった『テラスハウス』出演者でプロレスラーの木村花と重ねて論じられた。原作者は構想が以前からあったと説明したが、2023年5月にアニメで描かれた際、母親の木村響子は制作側を公に批判した。復讐劇の底には、愛から出た嘘はそれでも嘘なのか、母の伝説の内側で子どもは自分の人生を生きられるのか、という静かな問いがある。