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Cinema 月明かりの映画館

バウンス ko GALS

Bounce KoGALS

1997映画日本

465作品の星図のなかで見る

ストーリー

結末まで書いています。

コギャル全盛期。制服を換金し、買う男たちを出し抜く少女たち。

金曜の午後の渋谷。ルーズソックスに茶髪の女子高生たちが、昨夜の援助交際の話に興じている。中絶したばかりのマルが客として拾った男は、援助交際の客を装ったヤクザの大島だった。素人の女子高生たちに売春の商売を荒らされて苛立つ大島は、マルを脅して携帯電話と身分証を取り上げる。泣きつかれたのは、客と寝ずに金を稼ぐのが自慢のリーダー格、ジョンコ。大島のもとに乗り込んだジョンコは、援助交際とそこに群がる社会の相関図を彼に解説してみせ、金だけ奪って逃げるような荒仕事は控えるという協定と引き換えに、マルの持ち物を取り戻す。

同じ午後、仙台の高校を出たばかりの帰国子女リサが、渋谷に立ち寄っていた。翌日の便でニューヨークへ渡り、ひとりで学ぶつもりだ。1年かけて貯めた30万円に上乗せしようと、サキの営むブルセラショップで下着を売り、紹介された制服姿のビデオ撮影のバイトに向かう。だが撮影はいかさまで、乱入してきた男たちに貯金をすべて奪われる。リサにつきまとっていたスカウトのサップが彼女を連れ出すが、そのためにひどく痛めつけられる。撮影現場に居合わせたラクちゃんは、リサのためにジョンコに助けを求める。ジョンコは大島との協定を破る覚悟で、リサを連れて夜の客をまわる。体を求める男にはスタンガンを使い、戦時中、女性たちに兵士との性行為を強いた軍の慰安婦制度の設置に関わり、いまもそれを懐かしげに語る老教授とはリサが言い争い、便所掃除をさせる男からは金を奪う。

夜は暗転する。別の男から金を奪おうとしたマルは、ひどく殴られて片目を失う。大島の手下に捕まったジョンコたちが連れて行かれた先は、マルが運び込まれた病院だった。大島は、間違っているのは金を払う男たちのほうだと言い、取り上げた金の一部をリサに返す。包帯姿のサップは、奪われたリサの金を取り返し、さらに上乗せして届けに来る。駅のホームでリサは別れを告げる。走り出した電車を、ジョンコとラクちゃんが泣きながら追いかける。

主な出演

  • 佐藤仁美ジョンコ役

    渋谷の女子高生たちのリーダー格。客と寝ずに男たちから金を巻き上げる。

    ジョンコの物語

    ヤクザの大島にマルの携帯と身分証を取り上げられると、ジョンコは彼のバーに乗り込み、援助交際とそこに群がる大人たちの相関図を解いてみせる。客とは寝ずに金を取り、ときには財布も抜くが、恥ずかしくて警察には行けないと踏んでいる。荒仕事はやめると約束して、マルの持ち物を取り戻す。その夜、縁を切っていたラクちゃんから、貯金を奪われたリサを助けてほしいと頼まれると、約束を破る覚悟でリサを連れて夜の客をまわる。大島の手下に捕まって連れて行かれた先は、マルが運び込まれた病院だった。大島は約束を破った彼女を厳しくとがめ、そのうえで、間違っているのは金を払う男たちだと言う。駅のホームでリサを見送り、走り出した電車を泣きながら追いかける。

  • 佐藤康恵ラクちゃん役

    いかさまのビデオ撮影の現場でリサと出会い、ジョンコに助けを求める女子高生。

    ラクちゃんの物語

    ラクちゃんは友だちに客を紹介して稼いでいる。ジョンコのやり方が気に入らず、縁を切っていた。制服姿のビデオ撮影の現場で、ニューヨークへ発つ途中のリサと出会う。乱入してきた男たちにリサが貯金を奪われると、サップの助けでふたりで逃げ出す。リサと意気投合したラクちゃんは、出発までに金を取り戻す手伝いをすると決め、縁を切っていたジョンコに電話をかけて、リサのために力を貸してほしいと頼む。ジョンコと出かけるリサを見送り、やがて合流して、三人で一夜を乗り切る。病院では、ひどく殴られて運び込まれたマルの姿に大きなショックを受ける。ジョンコと仲直りした彼女は、駅のホームでリサに別れを告げ、走り出した電車を泣きながら追いかける。

  • 岡元夕紀子リサ役

    高校を出たばかりで、ニューヨーク留学を目前に渋谷で貯金を奪われる少女。

    リサの物語

    リサは1年かけて貯めた30万円を持ち、ひとりでニューヨークへ学びに行く前日、資金を増やそうと渋谷に立ち寄る。サキのブルセラショップで下着を売り、引き止めようとするスカウトのサップの言葉も聞かずに、紹介されたビデオ撮影のバイトに向かう。撮影はいかさまで、乱入してきた男たちに貯金を奪われ、襲われかけたところをサップに救われる。ラクちゃんとジョンコに助けられて夜の客をまわり、女性たちに兵士との性行為を強いた戦時中の慰安婦制度を懐かしげに語る老教授とは言い争う。出発を延ばしてもっと稼ごうと言われても、手元の金で発つと決める。包帯姿のサップが、奪われた金にさらに上乗せして届けに来る。走り出した電車の窓越しに、リサはありがとうとつぶやく。

  • 役所広司大島役

    女子高生たちを売春商売の邪魔者と見るヤクザ。やがてジョンコに一目置くようになる。

  • 村上淳サップ役

    リサに惚れた街のスカウト。渋谷で彼女につきまとい、身を挺して彼女を救い出す。

  • 矢沢心マル役

    客に拾った男がヤクザだった女子高生。のちに、金を奪おうとした男にひどい目に遭わされる。

この作品が問いかけるもの

この映画は、女子高生が大人の男からお金を受け取ってデートをし、ときには体も売る援助交際が、国内に衝撃を与え、海外の報道の好奇の的となっていたころに、原田眞人が渋谷でドキュメンタリーのような手触りで撮った作品だ。その主張は、よりによってヤクザの口から語られる。間違っているのは金を払う男たちのほうだ。少女たちは賢く、互いに義理堅く、口にするよりずっとおびえている。男たちは哀れな者から危険な者までさまざまで、戦時中に軍が女性たちにしたことを懐かしげに語る老人までいる。海外の批評は、醒めた肖像と見るか、感傷的な焼き直しと見るかで分かれた。どちらにしても、ひとつの事実は変わらない。彼女たちは未成年で、男たちが金で買おうとするものに同意はない。映画のぬくもりは友情にあり、映画は少女たちの価値をそこに置いている。