わたしはわたし〜OL葉子の深夜残業〜
I Am Me: Office Lady Yoko's Late Overtime
ストーリー
結末まで書いています。
男性恐怖症の堅物OLに、一夜限りの関係を楽しむ別人格が。交換日記が始まる。
三沢葉子は小さな出版社の編集部で働いている。人づきあいが苦手で、男性が怖く、まじめさだけが取り柄の地味な会社員だ。ところが最近、体の調子がおかしい。十分に眠ったはずなのに、仕事中に強烈な眠気に襲われ、一日じゅうだるい。ミスが続き、編集長には毎日のように怒鳴られる。そんなある日、見知らぬ男に呼び止められる。君をもう一度抱きたい、忘れられないんだ。葉子は逃げ出す。
ある朝、覚えのない夜の服と化粧のまま目を覚ました葉子は、事情をつなぎ合わせる。自分が眠っているあいだ、別の人格が体を動かしているのだ。夜のヨーコは美しく着飾り、男たちを手玉に取り、一夜限りの関係を楽しんでいる。ヨーコが昼の暮らしにまで入り込んでくると、葉子は交換日記で彼女と話そうと思いつく。左のページに昼の葉子、右のページに夜のヨーコ。字もペンの色も違う。ふたりは言い争い、互いの時間の出来事を知らせ合い、少しずつわかり合っていく。昼の葉子は、担当している小説家にひそかな思いを寄せている。夜のヨーコは、金があって欲の強い男がいいと言い続けてきた。
やがて夜のヨーコは、しつこく言い寄る金持ちの男をはねのけて小説家のもとへ駆け寄る。小説家はつきまとう男から彼女を救い出し、背負って街を走る。夜のヨーコは、昼の葉子への告白を家に着くまで練習するよう彼に言う。練習の途中で彼女は背中で眠りに落ち、いつのまにか目覚めていた葉子にその告白が届く。葉子は、私も好きですと答える。小説家は昼と夜のどちらも、ひとりの葉子として愛している。ふたりは彼女の恐れの元になった古いアダルトビデオを探し出し、一緒に見て、それを演じてみる。そして葉子は言う。わたしはわたし。
主な出演
市川まさみ三沢葉子役
男性が怖い、まじめで地味な編集部員。眠っているあいだ、もうひとりの自分が体を動かしていると知る。
三沢葉子の物語
葉子は小さな出版社の編集部で働く、男性が怖い地味な会社員だ。最近はいくら眠ってもだるく、編集長に毎日怒鳴られている。唯一の楽しみは、ひそかに想いを寄せる若い小説家の原稿を受け取りに行くこと。見知らぬ男にもう一度抱きたいと迫られ、覚えのない夜の服と化粧のまま目を覚まして、眠っているあいだに別の人格が男たちと夜を過ごしていると知る。葉子はその人格と交換日記を始め、ふたりは言い争いながら、少しずつわかり合っていく。やがて夜のヨーコは金持ちの男をはねのけて小説家のもとへ走り、彼の背中で眠りに落ちる。目覚めた葉子は彼の告白を聞き、私も好きですと答える。彼とともに恐れの元になった古いアダルトビデオを掘り出し、葉子は言う。わたしはわたし。
津田篤小説家役
葉子が担当する若い小説家。彼女と同じく内気で、ひそかに想いを寄せ、昼と夜のどちらの葉子も受け入れる。
小説家の物語
小説家は、葉子と同じくらい内気な若い書き手で、原稿を受け取りに来る彼女にひそかに想いを寄せている。ある日、彼の家で居眠りした葉子が夜のヨーコとなって目覚め、彼を誘惑して戸惑わせる。やがて彼は、葉子にふたつの人格があることに気づく。夜のヨーコを知る男が彼女に言い寄ると、小説家はその男を追い払い、彼女を背負って歩く。家に着くまで、昼の葉子への告白を練習しなさいと夜のヨーコは言う。練習の途中で彼女は眠りに落ち、告白は目覚めた昼の葉子に届いて、彼女も好きですと答える。彼は昼と夜のどちらの葉子も、ひとりの葉子として愛し、恐れの元になった古いアダルトビデオを彼女とともに掘り出す。
この作品が問いかけるもの
この映画は、ソフトと配信向けに作られた低予算の官能ドラマで、その実、自分を受け入れる物語でもある。夜にだけ現れるもうひとつの人格という仕掛けは、濡れ場のための口実にもなりえたし、実際そういう面もある。けれど、ふたりの葉子の交換日記が作品に心を与えている。自分の欲望を恐れるよう教えられてきた女性が、それを楽しむ自分と交渉し、どちらも消えずにすむ場所を探していく。浮かび上がるのは、性への羞恥と男性への恐れ、女性をまじめな女と奔放な女に分けてしまう癖、そして人をまるごと受け入れる愛という問いだ。脚本・監督は、一般映画からピンク映画まで手がける城定秀夫。人気のセクシー女優である市川まさみが、昼と夜の両方を演じた。題名がそのまま結論になっている。治ることではなく、折り合うこと。