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Cinema 月明かりの映画館

バーニング 劇場版

Burning

2018映画韓国

465作品の星図のなかで見る

ストーリー

結末まで書いています。

二人の若い男と、夕暮れに踊る女。村上春樹の短編が伏せていた階級の怒りを掘り起こす。

大学を出ても職のないイ・ジョンスは、小説家を志しながら、ソウルで配達のアルバイトをして暮らしている。ある日、街頭宣伝の会場で、田舎の幼なじみシン・ヘミに声をかけられる。彼女だと気づかないジョンスに、ヘミは整形したのだと言う。お金を貯めてアフリカへ行くので、そのあいだ猫のボイルに餌をやってほしい。そう頼まれて訪ねた狭い部屋で、ふたりは関係を持つ。坡州で牛を飼う父が役所の職員を殴って逮捕され、ジョンスは実家に戻る。そこから町へ通い、一度も姿を見せない猫に餌を置き続ける。

ヘミは、ナイロビで知り合ったベンという青年を連れて帰ってくる。ポルシェに乗り、江南の高級マンションに住み、何の仕事をしているのかはわからない。ある夕方、三人はジョンスの家で大麻を吸い、ヘミは上半身裸になって屋外で踊る。ヘミが眠ったあと、ベンは二か月に一度、打ち捨てられたビニールハウスを燃やしているのだと打ち明け、次はこのすぐ近くだと言う。ジョンスはヘミを愛しているとベンに告げる。そして、男たちの前で服を脱いだヘミをとがめる。ヘミはベンの車で去っていく。

ジョンスは来る日も来る日も近所のビニールハウスを見て回るが、焼けたものはひとつもない。ヘミから一度だけ電話がかかってくるが、数秒の物音で切れ、それきり連絡がつかない。彼女の部屋は妙に片づき、猫の痕跡も消えていた。新しい恋人を連れたベンは、ビニールハウスは燃やした、ヘミからは連絡がないと言う。ジョンスはベンの車を尾け始める。子どものころ涸れ井戸に落ちたところをジョンスが助けてくれた、とヘミは話していた。ヘミの家族は井戸などなかったと言い、十六年ぶりに会った母は、井戸はあったと言う。ベンの家の洗面所の引き出しには、女もののアクセサリーに混じって、ジョンスがヘミに贈ったのと同じピンクの腕時計があった。ベンの新しい猫は、ボイルと呼ぶと寄ってくる。

父には懲役一年六か月の判決が下る。ジョンスはヘミのいない部屋で小説を書き始める。そして、ヘミが一緒にいると言ってベンを人けのない田舎道に呼び出し、殺す。遺体と車に、脱いだ自分の服もろとも火を放ち、裸のままトラックで走り去る。

主な出演

  • ユ・アインイ・ジョンス役

    配達のアルバイトで食いつなぐ小説家志望の青年。裁判を抱えた牛農家の息子で、ヘミの失踪にとらわれていく。

    イ・ジョンスの物語

    ジョンスは大学を出ても職がなく、小説を書き出せずにいる。街頭宣伝の会場でヘミに声をかけられ、そこで当てたピンクの腕時計を贈り、関係を持つ。彼女がアフリカにいるあいだ、父の裁判を抱えながら、姿を見せない猫に餌を運ぶ。ヘミはベンを連れて帰ってくる。ジョンスはベンにヘミを愛していると打ち明け、服を脱いだヘミをとがめ、ヘミはベンの車で去る。彼女が消えると、来る日も来る日もビニールハウスを見て回り、ベンを尾け、彼の洗面所の引き出しにピンクの腕時計を、そしてボイルと呼ぶと寄ってくる猫を見つける。父に判決が下ると、ヘミの部屋で小説を書き始める。そしてベンを田舎道に呼び出して殺し、遺体と車に自分の服もろとも火を放ち、裸のまま走り去る。

  • スティーヴン・ユァンベン役

    何の仕事をしているのかわからない裕福な青年。ビニールハウスを燃やすのが楽しみだと語る。

    ベンの物語

    ベンには金があり、ポルシェと江南の部屋があり、何の仕事をしているのかは誰にもわからない。ナイロビの空港で三日間足止めされたヘミと知り合い、一緒に帰国する。ジョンスの家で、ヘミが眠っているあいだに、二か月に一度、打ち捨てられたビニールハウスを燃やしている、次はすぐ近くだと話す。ヘミが姿を消すと、ハウスは燃やした、彼女からは連絡がないと言い、ヘミが信じていたのはジョンスだけで、生まれて初めて嫉妬したと打ち明ける。新しい恋人ができた彼は、新しい猫と女もののアクセサリーの引き出しがある部屋にジョンスを招き入れる。ヘミが田舎で待っていると聞いて車を走らせ、彼女はどこかと尋ねたところで殺される。

  • チョン・ジョンソシン・ヘミ役

    ジョンスの幼なじみ。街頭宣伝で踊りながらアフリカ行きのお金を貯め、ベンと出会ったあと姿を消す。

    シン・ヘミの物語

    ヘミは街頭宣伝で踊り、整形したのだと言い、アフリカへ行くお金を貯めている。子どものころ涸れ井戸に落ちた自分をジョンスが助けてくれたと話し、留守のあいだ猫のボイルに餌をやってほしいと頼んで、彼と関係を持つ。ナイロビの空港で足止めされ、ベンを連れて帰国すると、三人の食事の席で泣きながら、消えてしまいたいと言う。ジョンスの家では大麻を吸い、屋外で上半身裸になって踊る。男たちの前で服を脱いだととがめられると、黙ってベンの車に乗り込む。その後、ジョンスに一度だけ電話をかけてくるが、数秒の物音で切れ、それきり連絡は途絶える。部屋は妙に片づき、猫は消え、家族は井戸などなかったと言う。彼女に何が起きたのか、映画は最後まで明かさない。

  • チェ・スンホイ・ヨンソク(ジョンスの父)役

    頑固で暴力的なジョンスの父。役所の職員を殴って裁判にかけられている牛農家。

この作品が問いかけるもの

『バーニング 劇場版』は、解かれることを拒む謎であり、その沈黙を埋めようとする者たちの物語だ。ジョンスは貧しく、怒りを抱え、書くこともできない。傾いた牛農家と暴力的な父の息子だ。ベンはすべてを持ち、その余裕はジョンスの目には軽蔑に見える。そして姿を消すヘミを、ふたりの男のどちらも本当には見ていない。イ・チャンドンは村上春樹の短編に、批評家たちが階級への妬みや性的な嫉妬と呼んだものを流し込んだ。ベンは殺人者なのかという問いは、名づけられない怒りを若い男がどうするのか、という問いに変わっていく。2018年のカンヌ国際映画祭で国際映画批評家連盟賞を受け、韓国映画として初めてアカデミー賞外国語映画賞の最終候補九作に残った。ヘミに何が起きたのか、映画は最後まで明かさない。確かに映されるのは、ジョンスの暴力だけだ。