サムバディ
Somebody
ストーリー
結末まで書いています。
マッチングアプリの開発者が、自らのアプリを使う殺人者に惹かれていく。欲望と危険がひとつの画面に同居する。
アスペルガー症候群をもつ優秀な開発者キム・ソムは、スペクトラム社が運営し、代表のサマンサが率いる出会いアプリ「サムバディ」のチャットと相手選びの仕組みを作った。ソムは昔から、人の気持ちを読むのが苦手だ。友人は、車椅子で暮らす警察官で十年来の親友のヨン・ギウンと、シャーマンのイム・モグォン。建築デザイナーのソン・ユノは、いくつもの名前でこのアプリを使い、女性たちと会っては殺している。始まりは一年前、アプリで知り合った女性がホテルでの行為の最中に彼の手で死に、彼が殺すことに快楽を覚えたことだった。
サムバディで知り合った女性の遺体が見つかり、ギウンは調べはじめる。ユノはソムに近づき、ふたりは互いの中に何かを見いだす。彼は彼女の平板さや暗い考えにたじろがず、彼女も彼にかけられた疑いを気にしない。ユノの別アカウントを通じた偽のデートで、性的暴行を加えようとしていると思った男たちに囲まれたソムは、そのひとりを殺し、あとで高揚を覚えたと認める。ユノがギウンを殺しかけ、撤去現場に置き去りにしたと知っても、ソムは友人たちに協力しない。モグォンには、彼の周りにうごめく怨霊が見える。ソムは同僚に、彼が大好きなのだとだけ告げる。
包囲は狭まっていく。再開発地区で、食堂の女店主の遺体が見つかる。ソムとユノのチャットを監視していたサマンサは、ハッカーを通じて彼のアカウント情報をひそかにギウンへ流し、被害者を装った偽の映像通話で彼を追いつめる。動揺したユノは泣きながらソムの家に現れ、君にもっと早く会うべきだったと言い、罪を打ち明ける。そして、彼女のために整えた隠れ家で彼女を待つ。ソムはギウンに追跡されないよう携帯をタクシーに残し、彼のもとへ行き、彼を殺す。モグォンのバイクの後ろに乗ってその場を離れたソムは、会社に戻り、何事もなかったかのように同僚たちのゲームに加わる。
主な出演
カン・ヘリムキム・ソム役
アプリ「サムバディ」の開発者。アスペルガー症候群をもち、そのアプリで人を殺す男に惹かれていく。
キム・ソムの物語
ソムはアプリのチャットと相手選びの仕組みを作ったが、昔から人の気持ちを読むのが苦手だ。ユノは彼女の平板さにも暗い考えにもたじろがず、彼女も彼にかけられた疑いを気にしない。彼の別アカウントを通じた偽のデートで、性的暴行を加えようとしていると思った男たちに囲まれ、そのひとりを殺し、高揚を覚えたとあとで認める。ユノが親友ギウンを殺しかけたと知っても、友人たちに協力しない。泣きながら家の前に現れて罪を打ち明けた彼を、中に招き入れる。そしてギウンに追跡されないよう携帯をタクシーに残し、彼が自分のために整えた隠れ家へ行って、彼を殺す。モグォンのバイクの後ろに乗って去り、会社で何事もなかったかのように同僚たちのゲームに加わる。
キム・ヨングァンソン・ユノ役
建築デザイナーで連続殺人犯。偽名でアプリを使って女性と会い、ソムに惹かれていく。
ソン・ユノの物語
ユノは一年前、アプリで知り合った女性をホテルでの行為の最中に死なせ、殺すことに快楽を覚えた。アプリの開発者ソムにたどり着くと、彼女は彼にたじろがない。別人を装って彼女を偽のデートへ送り出し、親友のギウンを撤去現場に置き去りにして殺しかける。郊外に隠れ家を買い、ソムのための空間を整える。被害者を装った映像通話に追いつめられ、警察の手も迫るなか、泣きながらソムの家を訪ね、もっと早く会うべきだったと言って罪を打ち明ける。隠れ家で彼女を待ち、映像通話で愛していると告げたところで、ソムに殺される。
キム・スヨンヨン・ギウン役
十年来のソムの親友で、車椅子で暮らす警察官。アプリに潜む殺人犯を追う。
ヨン・ギウンの物語
アプリで知り合った相手とのデートのあとで女性の遺体が見つかると、ギウンはひとりで調べはじめ、ユノに撤去現場で殺されかける。救い出されると、モグォンの助けを借りて追跡を続け、再開発地区で食堂の女店主の遺体を見つけて通報する。知っていることを話さず、ユノにナイフを渡したとまで言うソムに失望し、彼女の家を出る。ハッカーの力を借りて彼をたどり、同僚たちに証拠を示して、警察は彼の事務所を捜索する。会いに行くとだけ告げたソムの携帯を追うが、それはタクシーに残されていて、追跡は空振りに終わる。
キム・ヨンジイム・モグォン役
ソムとギウンの友人のシャーマン。ユノの周りに死者の気配を感じ、ギウンの捜査を助ける。
この作品が問いかけるもの
『サムバディ』は、孤独が商品に変えられていく時代のスリラーだ。人とつながるのが苦手なソムは、人をつなぐアプリを作り、その最も危険な利用者こそが彼女とつながる相手になる。監督と共同脚本を務めたチョン・ジウは、ヒロインにすべてを承知のうえで殺人者を愛させ、その内面を説明しない。だから結末は判決ではなく問いとして残り、ソムはサイコパスなのか、それとも救いようのない命を自ら終わらせたのか、解説記事の見方も分かれた。作品はネット上の加害の仕組みも率直に描く。女性を見つけて孤立させるための偽のプロフィール、都合しだいで利用者の私的なやりとりを読む会社。ひとりの人に理解されることは、その人が何者であっても、それに見合うのか。その問いが残る。