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Cinema 月明かりの映画館

華燈初上 -夜を生きる女たち-

Light the Night

2021–2022ドラマ・シリーズ台湾

465作品の星図のなかで見る

ストーリー

結末まで書いています。

1980年代、台北・林森北路の日式クラブのホステスたち。殺人事件よりも“職場”を描く。

1988年の台北。林森北路の歓楽街にある日系ナイトクラブ「光」は、高校時代からの親友ふたりが切り盛りしている。オーナーで「スーママ」と呼ばれる、優しく多才なスー・チンイと、店のママで、恋にも子育てにもまっすぐなローズことロー・ユノン。ローズは息子のズーウェイを育てている。立ち入り禁止の山中に埋められた女性の遺体が見つかり、刑事のパン・ウェンチェンと部下のアタは「光」にたどり着く。死んでいたのはスーだった。

第1部は事件前の数か月をさかのぼる。ホステスたちの暮らしと借金と男たち、店を通り抜ける麻薬、そして売れない脚本家でローズの元恋人ジャン・ハンとスーの関係。ローズはそれを自分の誕生日に知る。第2部はさらに過去へ向かう。若い頃、スーは母の同居相手チューに性的暴行を受け、母に家を追い出された。身ごもった彼女をローズが迎え入れ、産むように説いて、その子ズーウェイを自分の息子として育ててきたのだった。第2部は、スーが周囲に殺意の種をまいていく様子も描く。スーの母はズーウェイが誰の子かに気づき、週刊誌の報道によってローズが最有力の容疑者にされる。事件の夜の録音を手にしたジャン・ハンは、ローズに会いに向かう途中で命を奪われる。

第3部はローズの過去を明かす。彼女は夫の罪をかぶって服役したのち「光」に来た。獄中で守ったのが、売春を強いた恋人を襲ったハナで、ハナも出所後に「光」へやってきた。スーが死んだ夜、ハナは、ズーウェイをローズから取り戻そうとするスーを問い詰めに行っていた。スーに「犬」と呼ばれた瞬間、かつての恋人の言葉がよみがえり、ハナは彼女を殴って死なせてしまう。ハナの恋人のアタが遺体を捨て、ジャンが証拠があると警察に電話してきたとき、その電話を取ったアタが彼を殺したのだった。アタは麻薬取引で逮捕され、パンは録音の消えたテープを使って真相を引き出し、ハナは罪を認める。親友を、もうひとりの親友に奪われたローズは、スーの墓の前でようやく心の整理をつける。「光」の女たちは歩みを続ける。アイコは母と和解しないと決め、アチーは子どもを産むと決める。スーの誕生日に店で開かれる集まりは、ハナの最後の出勤日でもあった。

主な出演

  • ルビー・リンローズ(ロー・ユノン)役

    店のママ。まっすぐで情に厚く、息子を育てながら、親友殺しの疑いをかけられる。

    ローズ(ロー・ユノン)の物語

    父の暴力から逃れるように若くして家を出たローズは、性的暴行を受けて身ごもった親友スーが頼ってきたとき、産むように説き、その子ズーウェイを自分の息子として育てた。のちに夫の罪をかぶって服役し、獄中でハナを守る。いまはスーと「光」を切り盛りしているが、自分の誕生日に、スーが元恋人ジャン・ハンと付き合っていると知る。スーが遺体で見つかると、週刊誌の報道で最有力の容疑者にされ、事件の夜の録音を手に会いに来ようとしたジャンも命を奪われる。やがて、スーを殺したのはハナで、スーがズーウェイを自分から奪おうとしたからだと知る。罪を認めに行くハナを抱きしめ、スーの墓の前で、ようやく心の整理をつける。

  • シェリル・ヤンスー・チンイ役

    「光」のオーナーで通称スーママ。多才で落ち着いた女性であり、その死の謎を物語が追う。

    スー・チンイの物語

    愛人として生きる母の娘として育ったスーは、若い頃、母の同居相手チューに性的暴行を受け、母に家を追い出された。身ごもった彼女を高校時代からの親友ローズが迎え入れ、産むように説いて、その子ズーウェイを自分の息子として育てた。年月を経て、ふたりは「光」を切り盛りしている。スーはローズの元恋人ジャン・ハンと付き合い、やがて彼を捨てて、アチーが狙っていた日本人の上客・中村との結婚を決め、日本へ渡るつもりでいる。店を去る夜、自分の持ち分をホステスたちに譲り、あなたを守ってくれる人を探してあげるとローズに微笑む。ズーウェイを取り戻すつもりでもいた。その夜、問い詰めに来たハナを「犬」と呼び、彼女に殺される。

  • トニー・ヤンパン・ウェンチェン役

    強引な取り調べでのし上がった刑事。スーの死を追いながら、店をめぐる麻薬事件にも深入りしていく。

  • リディアン・ヴォーンジャン・ハン役

    売れない脚本家。ローズの元恋人で、のちにスーと付き合い、やがて事件の証拠を手にする。

  • エスター・リュウハナ役

    獄中でローズと出会い、彼女を追って「光」に来た人気ホステス。誰よりもローズを慕っている。

    ハナの物語

    ハナは恋人にだまされ、やがて強いられて体を売った。稼ぎをほかの女に貢いでいた彼に「犬」と呼ばれたとき、彼女は彼を襲い、刑務所に入る。獄中でローズに守られ、出所後はローズの家に身を寄せて「光」で働き、刑事のアタと恋仲になる。スーが死んだ夜、ハナは、ズーウェイをローズから取り戻そうとするスーを問い詰めに行った。スーに「犬」と呼ばれた瞬間、彼女はスーを殴り、死なせてしまう。アタは遺体を捨て、のちに彼女を守るためにジャン・ハンを殺す。アタが逮捕されると、ハナはローズに真実を打ち明けて田舎の両親のもとへ帰り、追ってきたローズに抱きしめられる。スーの誕生日を祝う店の夜を最後の出勤にして、彼女は罪を認める。

この作品が問いかけるもの

『華燈初上―夜を生きる女たち―』が見つめるのは、ふつうは客の側から撮られる世界だ。1980年代末の台北の日系クラブで、気配りと会話と親密さの演技を売るホステスたち。彼女たちは借金や子どもや服役の過去を抱え、自分を傷つけた男たちを背負っている。殺人事件は入り口にすぎず、その芯にあるのは、女性たちの仕事と、そこから生まれる忠誠を描く職場のドラマだ。なかでもローズとスーの友情は、同時に競い合いでもある。制作には2.5億台湾ドルがかけられ、当時の路地の再現は店の質感にまで行き届いている。結末は、「犬」と呼ばれ続けた女性が限界を超えるひとことに懸かっていて、暴力は欲からではなく、人が抱えてきた傷から生まれうるという重い指摘を残す。愛情を見せることが仕事の一部である世界で、忠誠にどれほどの価値があるのか。その問いが残る。