Harlots/ハーロッツ 快楽の代償
Harlots
ストーリー
結末まで書いています。
1760年代ロンドンの娼館の抗争。制作陣は女性、性描写は“働く側”のベッドから撮られる。
1763年のロンドン。娼館を営むマーガレット・ウェルズは、ソーホーのグリーク通りへの移転をもくろむ。宿敵は、ゴールデン・スクエアの高級娼館の女主人リディア・クイグリー。子どもだったマーガレットに体を売らせ、いまも彼女をつぶそうとする女だ。資金づくりに、マーガレットはまだ十代の次女ルーシーの処女を競売にかける。長女シャーロットの処女は、12歳のときに売った。わが子への性的虐待が、ここでは商売として扱われる。ロンドン随一の高級娼婦シャーロットは、嫉妬深いジョージ・ハワード卿に囲われている。リディアは権力者たちの秘密結社に嫌がる少女たちを差し出し、男たちは少女をレイプし、殺していた。シャーロットに拒まれたジョージ卿がルーシーを襲うと、マーガレットは彼を殺す。シーズン1の終わり、結社のファロン卿が結社お抱えの判事を殺し、シャーロットは母を捨てたふりでリディアの館に入り、内側から崩しにかかる。
シーズン2、リディアは新任判事ジョサイア・ハントに逮捕される。シャーロットは、兄のブレイン侯爵に財産を握られた貴婦人イザベラ・フィッツと親しくなる。結社の頭目である侯爵は幼いイザベラをレイプし、彼女が隠す娘ソフィアは彼の子だった。ルーシーはファロン卿の囲われ者になる。ファロンにゆすられる娘を守るため、マーガレットはジョージ卿殺しを自白して死刑を宣告されるが、執行寸前にハントが刑を止め、アメリカへ送る。リディアは息子に精神病院へ入れられる。女たちに捕らえられたファロンを侯爵は救い出し、結社を守るため、罪の告白を書き残して自ら命を絶つよう説き伏せる。
1年後のシーズン3。シャーロットは恋人で共同経営者のイザベラと母の館を営み、ルーシーは仕立屋を隠れみのに男性同性愛者のための秘密の館を開く。新顔の元締め、アイザックとハルのピンチャー兄弟に館を焼かれたシャーロットは、休戦ののちアイザックに惹かれる。アメリカの地主の妻となったマーガレットが戻った直後、兄弟の争いのさなか、シャーロットははずみで階段から突き落とされて死ぬ。アイザックを疑うマーガレットと友人ナンシー・バーチの前で、彼がハルの愛人エミリー・レイシーに襲いかかり、ナンシーが彼を殺す。マーガレットは再びアメリカへ去り、ルーシーは残る。シャーロットの死は自分のせいだとハルに打ち明けられたエミリーは、最終話で彼を海軍の強制徴募隊に引き渡し、酒場を奪う。精神病院を脱け出したリディアは、侯爵の悪事を暴かせまいとルーシーを債務者監獄へ送る。イザベラはほかのふたりの女と侯爵の罪を皇太子に訴え、侯爵は宮廷を追われる。自由になったルーシーがリディアを問いただしに乗り込んだところへ侯爵が現れ、ふたりの女は力を合わせて彼を殺す。物語は、ルーシーとリディアが酒を酌み交わして終わる。
主な出演
サマンサ・モートンマーガレット・ウェルズ役
子どものころ宿敵のもとで体を売らされた娼館の女主人。成り上がり、娘たちの行く末を守ろうと闘う。
マーガレット・ウェルズの物語
マーガレットはグリーク通りのよりよい館を望み、その資金のため、まだ十代の次女ルーシーの処女を競売にかける。長女シャーロットのときと同じく、わが子への性的虐待を商売として扱うのだ。リディアの手入れや、新しい館に置かれた死体をしのぎ、ルーシーを襲ったジョージ・ハワード卿を殺す。シーズン2、ファロン卿にゆすられる娘を守るためにその殺しを自白して死刑を宣告されるが、執行の寸前にハントが刑を止め、アメリカへ送る。1年後、アメリカの地主の妻となって戻った直後に、シャーロットが死ぬ。ナンシーとともに疑わしいアイザックと対峙し、彼がエミリーに襲いかかったところをナンシーが撃ち殺す。マーガレットは再びアメリカへ去り、ルーシーはついて来ない。
レスリー・マンヴィルリディア・クイグリー役
ゴールデン・スクエアの高級娼館を仕切る冷酷な女主人。権力者たちの秘密結社に少女たちを差し出す。
リディア・クイグリーの物語
リディアは子どもだったマーガレットとナンシーに体を売らせた女で、いまはマーガレットの新しい館をつぶそうと、巡査を差し向け、信仰に凝り固まった女をけしかけ、館に少女の死体を置く。結社の男たちに嫌がる少女たちを差し出し、彼らが少女たちをレイプし、殺していると知る。母を捨てたふりのシャーロットを館に迎える。新任判事に投獄され、シャーロットに保釈されても商売を続けるが、息子の手で精神病院に入れられる。そこで出会った若いケイトと脱け出し、皇太子の愛人に仕立てる。侯爵の悪事を暴かせまいとルーシーを債務者監獄へ送るが、ゴールデン・スクエアに侯爵が現れると、ルーシーと力を合わせて彼を殺す。ケイトを手放し、最後はルーシーと酒を酌み交わしている。
ジェシカ・ブラウン・フィンドレイシャーロット・ウェルズ役
マーガレットの長女で、ロンドン随一の高級娼婦。リディアを陥れようと画策し、のちに母の館を継ぐ。
シャーロット・ウェルズの物語
子どものころ母に処女を売られるという性的虐待を受けたシャーロットは、いまやロンドン随一の高級娼婦で、嫉妬深いジョージ・ハワード卿に囲われている。一文なしで彼のもとを去り、ダニエル・マーニーとアメリカへ渡ろうとするが、卿が殺されると、使用人の偽証でふたりとも逮捕される。釈放されると、母を捨てたふりでリディアの館に入り、内側から崩しにかかるが、リディアが罠にかけた娘は救えない。イザベラの恋人となり、母がアメリカへ送られたあとは、彼女とグリーク通りの館を営む。ピンチャー兄弟に館を焼かれると反撃し、休戦ののちアイザックに惹かれる。母が戻った直後、ボクシングの試合の夜に兄弟が彼女をめぐって争い、ハルにはずみで階段から突き落とされて死ぬ。
エロイーズ・スミスルーシー・ウェルズ役
マーガレットの次女。処女を競売にかけられ、気の進まないまま娼婦となるが、やがて自分の商売を始める。
ルーシー・ウェルズの物語
ルーシーは、まだ十代のうちに、新しい館の資金のため母に処女を競売にかけられる。娘への性的虐待が、この世界では商売として扱われる。娼婦としてはうまくいかず、ファロン卿の残酷さにおびえて彼を断る。ジョージ卿に襲われて抵抗すると、母が彼を殺す。シーズン2ではファロン卿の囲われ者となり、アメリアを刺した罪に問われた彼に偽りのアリバイを与え、自分を守るために母が殺しを自白するのを見届ける。1年後、仕立屋を隠れみのに男性同性愛者のための秘密の館を開き、アメリカへという母の誘いを断る。侯爵を暴こうとしてリディアに債務者監獄へ送られ、自由になるとリディアのもとへ乗り込み、そこへ現れた侯爵をふたりで殺す。物語は、ふたりが酒を酌み交わして終わる。
ケイト・フリートウッドナンシー・バーチ役
マーガレットの幼なじみで、誰よりも忠実な友。鞭打ちを専門とする館を営み、ウェルズ家の女たちを支える。
リヴ・タイラーイザベラ・フィッツ役
兄に財産を握られ、幼いころに兄からレイプされた貴婦人。シャーロットの友となり、やがて恋人になる。
この作品が問いかけるもの
このドラマは、ジョージ王朝時代のロンドンの性産業を、そこで生きた女性たちの側から見つめる。原案のモイラ・バフィーニとアリソン・ニューマンは、歴史家ハリー・ルーベンホールドの著作と当時の娼婦の案内書をもとにし、脚本と演出は女性たちが担った。製作総指揮のアリソン・オーウェンは、男性のまなざしは排したと語る。バフィーニは、彼女たちがどう虐げられたかではなく、どう生き延びたかを書くことにしたと言う。作品は、結婚では得られない金とわずかな自立を女性に与えた仕事として性労働を描きながら、その代償を隠さない。権力者に売られる少女たち、自らも子どものころ体を売らされた母親たち。米国の業界紙の批評家は、現代の未成年者の人身取引との重なりを指摘した。体と引き換えに手にした自由は本当に自由なのかという問いが、開かれたまま残る。