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Cinema 月明かりの映画館

WAVE MAKERS ~選挙の人々~

Wave Makers

2023ドラマ・シリーズ台湾

465作品の星図のなかで見る

ストーリー

結末まで書いています。

「このまま流すのはやめよう」。選挙スタッフのセクハラ告発が、配信直後に台湾の現実の#MeTooを起こした。

台湾、総統選挙の最後の数か月。ベテラン立法委員の娘であるウォン・ウェンファンは、野党・公正党で広報宣伝部門の副責任者と報道官を務めている。党主席のリン・ユエチェンが、現職の総統に挑んでいる。ウェンファンは、恋人の女性との関係を酔って侮辱した父の支持者の里長を突き飛ばし、相手が謝らない限り自分も謝らないと言い張って、市議の座を失っていた。上司のチェン・チアチンは有能な参謀だが、働きづめで結婚生活が壊れかけている。新人のチャン・ヤーチンには秘密がある。かつて彼女は、立法院長で与党の副総統候補になったチャオ・チャンツの教え子であり、助手であり、愛人だった。離れようとした彼女の職探しを彼は妨げ、いまも彼女の私的な写真を手放さない。

党の古参職員の男が給湯室でヤーチンに性的な嫌がらせをすると、上の男たちは選挙のために伏せておこうとする。ウェンファンは拒む。酔った夜、彼女はヤーチンに言う。「このまま流すのはやめよう。そうしたら、人は少しずつ死んでいく」。ふたりは、同じように彼に追い出された元職員を探し当てる。証拠を突きつけられたリン・ユエチェンは彼を休職させ、辞職させる。これは正義には届かないと認めたうえで、彼女は被害に遭った女性たちへのカードに「この社会があなたたちに追いつく日を待っていてください」と書く。

ヤーチンは偽名でチャオの娘ロンチーに近づき、父の金庫にある、女性たちの写真が詰まった記録媒体へと導く。チェン・チアチン夫婦は一時別居するが、彼が謝り、ふたりはよりを戻す。上に逆らって干されたウェンファンは、動画配信を始めて支持を集める。週刊誌がふたりの一緒にいる姿を撮り、職場恋愛だと書き立てる。正体が露見するのを恐れたヤーチンはアカウントを消して故郷の家族のもとへ帰り、ウェンファンは記者たちに、自分の性的指向を隠したことは一度もないと語る。チャオは秘書との醜聞を妻と並んで乗り切るが、父の浮気を口にしたロンチーのやりとりの画面が流出する。ヤーチンは生放送で自らの経験を語ると決め、ロンチーは記録媒体をヤーチンとウェンファンに託し、醜聞はチャオの選挙戦を終わらせる。リン・ユエチェンは大差で当選する。開票の夜、ヤーチンが戻ってくる。再び市議選に挑むつもりのウェンファンは、自分の陣営に加わってほしいと彼女に頼む。

主な出演

  • シェ・インシュエンウォン・ウェンファン役

    公正党の報道官。立法委員の娘で、市議の座を失っても、性的な嫌がらせを闇に葬らせない。

    ウォン・ウェンファンの物語

    ウェンファンは、恋人の女性との関係を侮辱した父の支持者を突き飛ばし、相手が謝らない限り謝らないと言い張って、市議の座を失った。いまは野党の総統選の報道官だ。新人のヤーチンが古参の職員に性的な嫌がらせを受け、上の男たちが伏せようとすると、彼女は拒む。このまま流せば人は少しずつ死んでいくとヤーチンに語り、同じ目に遭った元職員を探し出して、証拠を党主席のリンに届け、男を辞職に追い込む。上に逆らって会見の担当を外されると、動画配信を始めて支持を集める。ヤーチンとの仲を週刊誌に書き立てられると、自分の性的指向を隠したことは一度もないと記者に語る。開票の夜、再び市議選に出るつもりの彼女は、ヤーチンに補佐になってほしいと頼む。

  • ホアン・ジェンウェイチェン・チアチン役

    党の広報宣伝部門の責任者。有能な参謀だが、選挙への献身が結婚生活を追いつめていく。

    チェン・チアチンの物語

    チェン・チアチンは選挙にすべてを注ぎ、家のことも息子のことも、仕事を持つ妻に任せきりにしている。妻の仕事を自分の仕事ほど大事だとは思っていない。謝りはしても何も変えずにいるうち、妻は息子を連れて実家へ帰ってしまう。慌てた彼はようやく向き合い、変わると約束して、ふたりはよりを戻す。職場ではウェンファンとともにヤーチンを支え、彼女が証拠を残して姿を消すと、彼女を守りながらチャオの秘密を明るみに出す方策を練る。投票の前日、彼はこの仕事が好きだと語り、もう一度表舞台に立てとウェンファンの背中を押す。リン・ユエチェンは大差で勝つ。

  • ワン・ジンチャン・ヤーチン役

    職場で性的な嫌がらせを受ける新人職員。かつての恩師で愛人だった権力者からも逃れようとしている。

    チャン・ヤーチンの物語

    ヤーチンは、かつてチャオ・チャンツの教え子であり、助手であり、愛人だった。離れようとすると職探しを妨げられ、いまも私的な写真を握られている。古参の職員に性的な嫌がらせを受けても、何も変わらないと諦めていたが、ウェンファンが引き下がらず、ヤーチンは彼女にチャオとの過去を打ち明ける。偽名でチャオの娘ロンチーに近づき、金庫の暗証番号へ導いて、写真の詰まった記録媒体にたどり着かせる。ウェンファンと一緒の姿を週刊誌に撮られると、アカウントを消して祖父の家に身を隠す。やがて生放送で自らの経験を語ると決め、ロンチーから記録媒体を託されて、チャオの選挙戦は終わる。開票の夜に戻ってきた彼女に、ウェンファンは補佐になってほしいと頼む。

  • レオン・ダイチャオ・チャンツ役

    立法院長で与党の副総統候補。家庭人の顔の裏に、女性関係を隠している。

  • チェン・イェンフェイロンチー役

    ネットで人気のチャオの娘で大学生。父を疑いはじめ、手にした証拠をどうするか迫られる。

この作品が問いかけるもの

本作が描くのは、自らの大義を信じる組織が、内部で起きた加害を「大局のため」に静かに処理しようとするさまだ。被害者に待てと迫る圧力を、そして完璧ではない被害者を、作品は正確に描く。ヤーチンとチャオの関係は不倫から始まった。それでも何も変わらない、というのが作品の答えだ。共同脚本の簡莉穎自身の経験も下敷きにしたこの物語は、画面の中にとどまらなかった。配信から一か月余りのち、元党職員がこの作品に触れながら自らの被害を告白し、政界、学界、芸術界をめぐって、女性を中心に三十人を超える人々が声を上げた。蔡英文総統は自党の事案について謝罪した。ある弁護士は、これは一本の番組ではなく何世代もの努力の結果だと釘を刺している。人々が繰り返したあの台詞の主張は変わらない。沈黙は中立ではなく、その代償は、黙っていろと言われた側が払う。