SHAME -シェイム-
Shame
ストーリー
結末まで書いています。
マンハッタンのセックス依存症の男は、知っている人間には触れられない。妹の来訪が日課を壊す。
ニューヨークの会社で働くブランドン・サリヴァンは、娼婦や行きずりの相手と関係を持ち、ポルノを見続け、家でも職場でも日に何度も自慰にふける。ある朝の地下鉄で、婚約指輪をはめた女性と視線を交わす。彼女は見つめ返すが、やがて落ち着かなくなり、駅の人ごみに消える。
電話を無視し続けていた妹のシシーが、ある晩、彼の部屋のシャワーを使っている。歌手の彼女は、市内で仕事があるから泊めてほしいと言い、ブランドンはしぶしぶ受け入れる。妻子ある上司デイヴィッドと行ったバーで、ニューヨークを歌った有名なスタンダード曲を歌うシシーに、ブランドンは心を揺さぶられる。デイヴィッドは、彼女が過去に自分を傷つけていたことに気づきながら口説き、ブランドンの寝室で関係を持つ。ブランドンは夜の街へ走りに出る。慰めを求めて隣に横になろうとしたシシーを、彼は怒鳴って追い払う。
ブランドンは別居したばかりの同僚マリアンヌと食事に出かけ、ぎこちなく始まったデートは穏やかに終わる。自慰の最中をシシーに見られた彼は、彼女を押さえつけて罵る。ノートパソコンに開いたままのポルノを見られると、画面を叩きつけるように閉じる。彼はポルノもパソコンも捨ててしまう。マリアンヌとホテルの部屋に入るが、体が応えず、彼女は去る。そのあと同じ部屋に娼婦を呼ぶ。
シシーに出ていけと告げ、「寄生虫」とまで呼んで、彼は部屋を出る。バーで女性の恋人を挑発し、路上で殴り倒される。クラブで入店を断られ、ゲイ・バーの奥の部屋で男と関係を持つ。帰り道、泣きながら「私たちは悪い人間じゃない、悪い場所から来ただけ」と語るシシーの留守電を聞く。その夜、ふたりの娼婦と過ごす。帰りの地下鉄は、警察の対応で止められる。シシーに電話をかけても出ない。部屋に駆け戻ると、彼女は自ら命を絶とうとしていた。一命をとりとめたシシーを病院で慰めたあと、ブランドンは雨の中でひとり泣き崩れる。やがて地下鉄で、あの婚約指輪の女性とまた目が合う。今度は彼女も目をそらさず、次の駅で降りようと立ち上がる。ブランドンは彼女を見つめ続け、映画はそこで終わる。
主な出演
マイケル・ファスベンダーブランドン・サリヴァン役
ニューヨークで成功した会社員。強迫的な性生活に、知っている誰かが入りこむ余地はない。
ブランドン・サリヴァンの物語
ブランドンは、娼婦や行きずりの相手、手放せないポルノという強迫的な性の暮らしを、誰にも見せずに送っている。地下鉄で婚約指輪の女性と視線を交わすが、彼女は人ごみに消える。転がり込んできた妹シシーを、しぶしぶ泊める。上司が自分のベッドで妹と関係を持つと夜の街を走り、慰めを求めて隣に来た妹を怒鳴りつける。同僚マリアンヌとのデートのあと、ポルノを捨てるが、ホテルでは体が応えず、そのあと娼婦を呼ぶ。妹を寄生虫と呼んで部屋を出て、殴られ、見知らぬ相手と夜を過ごす。家に駆け戻ると、妹は自ら命を絶とうとしていた。助かった妹を病院で慰め、雨の中で泣き崩れる。やがて地下鉄で、あの女性が彼の視線を受けとめ、降りようと立ち上がる。彼は見つめ続ける。
キャリー・マリガンシシー・サリヴァン役
ブランドンの妹で歌手。過去に自分を傷つけたことがあり、泊まる場所と、兄が与えられない以上のものを求めてやって来る。
シシー・サリヴァンの物語
歌手のシシーは、兄ブランドンに電話を無視され続け、ある晩、彼の部屋のシャワーを使っている。市内で仕事があるあいだ泊めてほしいと頼み、電話では恋人に捨てないでとすがる。バーでニューヨークを歌った名曲を歌って兄の涙を誘い、その夜、兄の上司デイヴィッドと兄のベッドで関係を持つ。慰めを求めて兄の隣に横になろうとすると、怒鳴って追い払われる。寄生虫と呼ばれ、出ていけと言われると、家族なら助け合うものだと言い返す。その夜、泣きながら、私たちは悪い人間じゃない、悪い場所から来ただけだと留守電に残す。そして自ら命を絶とうとする。兄に見つけられて一命をとりとめ、病院で兄に慰められる。
ジェームズ・バッジ・デールデイヴィッド役
ブランドンの上司で妻子持ち。口説き下手だが、出会ったその夜にシシーと関係を持つ。
ニコール・ベハーリーマリアンヌ役
別居したばかりの同僚。ブランドンと、ごく普通のデートをする。
ルーシー・ウォルターズ地下鉄の女役
婚約指輪をはめた女性。物語の始まりと終わりに、地下鉄でブランドンと視線を交わす。
この作品が問いかけるもの
この映画は性依存症を、悪徳としても笑いの種としても描かない。それは閉ざされた部屋だ。ブランドンは絶えず性行為を重ねながら、親密さとは無縁でいる。誰かに知られるかもしれない唯一のデートの夜に、彼の体は応えない。スティーヴ・マックイーンは強迫を、喜びのない、繰り返しの、孤独なものとして内側から描き、マイケル・ファスベンダーはこの役で2011年のヴェネツィア国際映画祭の男優賞を受けた。もうひとつの主題は家族だ。兄と妹は、映画が説明しない傷を分け持っている。手がかりは、悪い人間じゃない、悪い場所から来ただけ、という留守電の声だけだ。露骨な描写のため、アメリカでは成人向けの指定を受けた。残るのは、触れられないために性を使う人が誰かを近づけられるのか、最後の地下鉄の女性は機会なのか逃げ道なのか、という問いだ。