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Cinema 月明かりの映画館

ブルーバレンタイン

Blue Valentine

2010映画アメリカ

465作品の星図のなかで見る

Moonlightの読みもの

Cinema『ブルーバレンタイン』と、始まりの記憶が終わりを救わない理由この一篇を読む

ストーリー

結末まで書いています。

結婚の始まりと終わりを交互に編む。女性へのオーラルセックスの場面がNC-17指定を受け、異議申し立てで覆された。

映画は、ディーンとシンディの恋の始まりと、数年後、ふたりの結婚が壊れていく一日と一夜とを、交互に描いていく。

現在のペンシルベニア。5歳のフランキーは、飼い犬のメーガンがいなくなったと父ディーンを起こす。フェインバーグ医師の診療所で看護師として働くシンディは、疲れきっていて、ふたりに素っ気ない。ディーンは家のペンキ塗りをしている。娘の学校へ向かう途中、シンディは道端で死んでいるメーガンを見つける。門を開けっぱなしにしたと妻を責めたディーンは、犬を埋めながら泣き崩れる。そして、フランキーをシンディの父に預け、二時間ほど離れたモーテルで「酔っぱらって愛し合おう」と言い張る。

数年前。高校を中退したロマンチストのディーンは、ブルックリンの引っ越し業者で働いていた。ペンシルベニアの介護施設に家具を届けに行った日、祖母を見舞いに来ていた医学部志望のシンディに出会う。彼女の両親の仲は荒れていて、父は母を言葉で痛めつけている。恋人のボビーは、性行為の最中に彼女の同意を踏みにじり、シンディは彼を遠ざける。ディーンはバスの中で彼女と再会するよう仕向け、ふたりは恋に落ちる。ボビーは仲間ふたりと、仕事中のディーンを襲う。シンディは妊娠し、おそらくあなたの子ではないとディーンに告げる。中絶のために診療所へ行くが、処置の途中でやめる。ディーンは一緒に育てようと言い、ふたりは治安判事の前で結婚する。

モーテルでシンディはディーンを拒み、ふたりは酒を飲みながら、彼の向上心のなさをめぐって言い争う。彼が迫り続け、シンディは折れるが、もうひとり子どもが欲しいと言われて落胆し、彼を締め出す。早朝に職場から呼び出された彼女は、車に乗り、書き置きを残して去る。バスで帰ったディーンは、酔って診療所に押しかけてわめき、止めに入ったフェインバーグ医師を殴る。シンディは解雇され、離婚を切り出す。ディーンは結婚指輪を投げ捨て、ふたりで一緒にそれを探す。シンディの実家で、ディーンはフランキーのためにもう一度やり直してほしいと泣いて頼む。自分のように、憎み合う両親のもとで娘を育てたくないとシンディは言う。ふたりは抱き合うが、彼女は時間が欲しいと身を離す。ディーンは通りを歩き去る。フランキーは行かないでと追いかけるが、彼は娘を母親のもとへ帰らせる。

主な出演

  • ライアン・ゴズリングディーン・ペレイラ役

    高校を中退したロマンチスト。今はペンキ塗りをしながら娘を溺愛するが、その向上心のなさに妻は苛立つ。

    ディーン・ペレイラの物語

    引っ越し業者で働くディーンは、介護施設に家具を届けた日、シンディを見かける。バスで再会するよう仕向けて近づき、元恋人のボビーたちに仕事中に襲われる。妊娠した、たぶんあなたの子ではないと告げられても、一緒に育てようと言い、ふたりは結婚する。数年後、ペンキ塗りをしながら娘フランキーを溺愛する彼は、飼い犬が死ぬと妻を責め、埋めながら泣き崩れる。モーテルでは妻に迫り、もうひとり子どもが欲しいと言って締め出される。置き去りにされると、酔って妻の診療所に押しかけ、医師を殴る。離婚を切り出されると指輪を投げ捨て、ふたりで探す。娘のためにやり直してほしいと泣いて頼むが、時間が欲しいと言われ、追ってきた娘を母親のもとへ帰して、歩き去る。

  • ミシェル・ウィリアムズシンディ・ヘラー役

    かつて医師を志した看護師。結婚生活に疲れ果て、別の町での仕事を持ちかけられている。

    シンディ・ヘラーの物語

    医学部を目指すシンディは、父が母を言葉で痛めつける家で暮らしている。恋人のボビーは性行為の最中に彼女の同意を踏みにじり、彼女は彼を遠ざける。祖母の介護施設で出会ったディーンと恋に落ちる。妊娠し、父親がディーンかどうかわからないまま中絶のために診療所へ行くが、処置の途中でやめ、ふたりは結婚する。数年後、疲れきった看護師の彼女は、上司のフェインバーグ医師に別の町での仕事を持ちかけられている。モーテルでは夫を拒み、折れても、もうひとり子どもをと言われて彼を締め出す。夫が医師を殴ると解雇され、離婚を切り出す。憎み合う両親のもとで娘を育てたくないと告げ、時間が欲しいと身を離す。泣くフランキーを、彼女は腕に抱く。

  • フェイス・ワディッカフランキー役

    ディーンとシンディの5歳の娘。最後に、去っていく父を追いかける。

  • マイク・ヴォーゲルボビー・オンタリオ役

    シンディの学生時代の恋人。彼女の同意を踏みにじり、のちに仲間とディーンを襲う。

この作品が問いかけるもの

『ブルーバレンタイン』は、恋の始まりと終わりを並べ、互いに互いを説明させる。出会いのころはやさしく無鉄砲で、数年後の結婚は疲れきっている。映画は原因をひとつに絞らない。シンディにとって、ディーンの一途さは向上心のなさに変わり、ディーンにとって、彼女の向上心は冷たさに変わった。ふたりの背後には、育った家の結婚がある。シンディは、父が母を言葉で痛めつけるのを見て育ち、フランキーを同じ目に遭わせまいとする。アメリカでは、女性へのオーラルセックスの場面を理由に、当初17歳以下の鑑賞を禁じる指定を受けた。ライアン・ゴズリングはこれを性差別だと批判し、異議申し立ての結果、指定は緩められた。ミシェル・ウィリアムズはアカデミー賞主演女優賞にノミネートされた。残るのは、愛から始まった結婚をいつ終わらせてよいのか、という問いだ。