31年目の夫婦げんか
Hope Springs
ストーリー
結末まで書いています。
結婚31年目、妻が夫を集中カップルセラピーに連れて行き、性生活を取り戻そうとする。
オマハに暮らすケイとアーノルドのソームズ夫妻は、結婚して31年になる。末の子が大学へ進んでから、ふたりは別々の寝室で眠り、触れ合うこともなくなった。ケイは結婚をやり直したい。ある日彼女は、メイン州の海辺の町でフェルド医師が開く一週間の集中カップルカウンセリングを申し込み、代金も払ったとアーノルドに告げる。決まりきった毎日を崩さないアーノルドは、自分たちの結婚に問題などないと言い張りながらも、同行する。
診察室でふたりは気持ちを言葉にしようとし、フェルド医師は性生活について、しだいに踏みこんだ質問を重ねていく。内向的で古風なアーノルドは、怒って身構えるばかりで、妻の失望の深さを見ようとしない。ケイはひとりでバーへ行き、ワインを何杯も飲みながら女性バーテンダーのカレンに打ち明け、ほかの人たちもほとんど体を重ねていないと知る。アーノルドは海事博物館を見て回る。
その後ふたりは何年ぶりかで同じベッドで眠り、朝、ケイは夫の腕が自分を抱いているのに気づく。医師はさらに一歩を促す。安いモーテルのベッドで、そして映画館で、ふたりはぎこちなく触れ合おうとするが、映画館では散々な結果に終わる。アーノルドとふたりきりの面談で、医師は、これがあなたにできる精一杯なのかと率直に問う。アーノルドはロマンティックな夕食と高級な宿での一夜を用意するが、暖炉の前での試みもうまくいかない。最後の面談で医師は、ふたりは大きく前進した、家に帰ってもカウンセリングを続けるようにと告げる。
オマハに戻ると、元の習慣が戻ってくる。ケイは同僚のペットの世話を引き受け、そこに泊まるための荷物をまとめる。夫と別れるための最初の一歩だった。その夜、ふたりはそれぞれのベッドで眠れずにいる。やがてアーノルドがケイの部屋に入ってきて、ふたりは抱き合い、あたたかく、静かに結ばれる。翌朝、結婚は確かによい方向へ動きはじめている。その年のうちに、かつてケイが夢見たとおり、ふたりは浜辺で結婚の誓いを新たにする。フェルド医師と、大人になった子どもたちが見守るなかで。
主な出演
メリル・ストリープケイ・ソームズ役
結婚31年目のオマハの妻。夫婦の親密さを取り戻したくて、ふたりでのカウンセリングを申し込む。
ケイ・ソームズの物語
末の子が家を出てから、ケイは夫と別の寝室で眠り、孤独を募らせている。メイン州での一週間の集中カウンセリングを申し込み、ひとりでも行くと言い張って、夫をついて来させる。診察室で望みを口にしても、夫は身構えるばかり。ひとりで入ったバーでワインを重ね、バーテンダーのカレンから、ほかの人たちもほとんど体を重ねていないと聞かされる。ある朝、夫の腕に抱かれて目を覚まし、モーテルでも映画館でも触れ合おうとするが、うまくいかない。夫が用意した宿の夜も実らない。オマハに戻ると元の暮らしに戻り、彼女は同僚の家に泊まる荷物をまとめる。夫と別れる最初の一歩だった。その夜、夫が部屋に来て、ふたりは結ばれる。その年のうちに、浜辺で結婚の誓いを新たにする。
トミー・リー・ジョーンズアーノルド・ソームズ役
ケイの夫。決まりきった毎日を好み、結婚に問題はないと言い張って、カウンセリングでは身構える。
アーノルド・ソームズの物語
決まりきった毎日を好むアーノルドは、自分の寝室で眠り、結婚に問題などないと言い張る。ケイがひとりでもメイン州のカウンセリングに行くと言うと、しぶしぶついて行く。面談では怒って身構えるばかりで、ケイがバーで飲んでいるあいだ、海事博物館を見て回る。何年ぶりかで同じベッドに眠った朝、腕は妻を抱いているが、モーテルでも映画館でも触れ合いはうまくいかない。ひとりきりの面談で、これがあなたにできる精一杯かと医師に問われ、ロマンティックな夕食と高級な宿を用意するが、その夜も実らない。家に帰ると元の習慣に戻る。妻が荷物をまとめた夜、眠れずにいた彼は、彼女の部屋へ行き、ふたりは結ばれる。その年のうちに、浜辺で結婚の誓いを新たにする。
スティーヴ・カレルバーニー・フェルド医師役
メイン州のセラピスト。一週間の集中カウンセリングで、夫婦の結婚と性生活に踏みこんだ質問を重ねていく。
エリザベス・シューカレン役
メイン州の町のバーテンダー。ワインを重ねるケイの打ち明け話に耳を傾ける。
この作品が問いかけるもの
『31年目の夫婦げんか』が描くのは、長い結婚の中のセックスレスだ。ケイが打ち明けたバーテンダーは、ほかの人たちもほとんどしていないと言う。ありふれていて、口にされない問題なのだ。映画はその沈黙にふたつの顔を与える。ケイは何年も結婚の中で孤独だったと、ようやく口にする。アーノルドは、何も変わっていないのだから問題はないと信じている。カウンセリングの場面は、長い沈黙と、誰も答えたくない問いに満ちている。転機になるのは、失敗に終わる大がかりな演出ではなく、廊下をわたる小さく、おずおずとした一歩だ。メリル・ストリープはこの役でゴールデングローブ賞にノミネートされた。残るのは、静まってしまった欲望はもう一度目覚めうるのか、もっと多くを求める側は結婚を壊しているのか、それとも救っているのか、という問いである。