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Cinema 月明かりの映画館

エターナル・サンシャイン

Eternal Sunshine of the Spotless Mind

2004映画アメリカ

465作品の星図のなかで見る

ストーリー

結末まで書いています。

別れた二人が互いの記憶を消し、モントークの列車で再び出会う。

バレンタインデーの朝、内気なジョエル・バリッシュは、自分でも理由がわからないまま会社を休み、モントーク行きの列車に乗る。冬の浜辺で、そして帰りの列車で、彼は奔放なクレメンタイン・クルシェンスキーと出会い、ふたりは惹かれ合う。その夜、ふたりは凍ったチャールズ川へ出かける。

映画はそこから時間をさかのぼる。ふたりは二年つきあった恋人同士で、喧嘩は激しくなる一方だった。ある喧嘩のあと、プレゼントを持って彼女の働く本屋を訪ねたジョエルを、クレメンタインは見知らぬ人のように扱い、目の前でほかの男といちゃつく。彼女はラクーナ社で、ジョエルの記憶をすべて消していたのだ。傷ついたジョエルも同じ手術を選ぶ。ふたりの関係のいやな記憶をテープに吹き込み、その夜、眠る彼のアパートで技術者のスタンとパトリックが作業を始める。スタンの恋人で受付係のメアリーもやって来て、ふたりははしゃぎ回る。パトリックは途中で抜け出し、クレメンタインに会いに行く。彼女に惹かれた彼は、ジョエルの記憶や贈り物や言葉をなぞって彼女を口説いているのだ。

ジョエルの頭の中で、クレメンタインとの記憶が最後の喧嘩から順に、消されながら再生されていく。幸せだった頃にたどり着いた彼は、彼女を失いたくないと気づく。彼女がいるはずのない記憶の中にクレメンタインを隠すと手術は止まるが、ラクーナ社の創業者ハワード・ミュージワック博士が駆けつけて再開させる。最後に残ったのは、ふたりが初めて出会ったモントークの記憶。崩れていく記憶の中で、クレメンタインは、モントークで会いましょう、と告げる。

アパートでは、メアリーがハワードに想いを打ち明けてキスをする。現れたハワードの妻は、ふたりが以前にも関係を持ち、メアリーがその記憶を消していたことを明かす。メアリーは仕事を辞め、会社の記録を患者全員に送りつける。出会い直したばかりのジョエルとクレメンタインは、互いをさんざんにけなすテープを一緒に聞いてしまう。出ていくクレメンタインを、ジョエルが追う。きっとまた同じことになる、傷つけ合う、と彼女は言う。ジョエルは答える。いいよ。雪の浜辺を、ふたりが駆けていく。

主な出演

  • ジム・キャリージョエル・バリッシュ役

    内気で本好きな男。クレメンタインの記憶を消す手術を受け、その最中に彼女を守ろうとあがく。

    ジョエル・バリッシュの物語

    ジョエルは口数が少なく、思いは日記に書きつける。二年つきあったクレメンタインと喧嘩をしたあと、プレゼントを持って本屋を訪ねると、彼女は彼を見知らぬ人のように扱う。ラクーナ社で彼の記憶を消していたのだ。傷ついた彼も同じ手術を選び、恨み言をテープに吹き込む。その夜、眠る彼の頭の中で、ふたりの日々が最後の喧嘩から出会いのころへと逆にたどられ、彼は彼女を失いたくないと気づく。幼い日の記憶に彼女を隠すが、ハワードが来て手術は再開される。最後の記憶の中で、彼女はモントークで会いましょうと告げる。翌朝、会社を休んでモントークへ向かい、彼女に出会い直す。届いたテープを聞いて彼女が出ていくと、あとを追い、また傷つけ合うと言われて、いいよ、と答える。

  • ケイト・ウィンスレットクレメンタイン・クルシェンスキー役

    衝動的で率直な女性。喧嘩のあと、ジョエルとの記憶をすべて消してしまう。

    クレメンタイン・クルシェンスキーの物語

    クレメンタインは奔放な女性で、髪の色は気分とともに変わる。二年つきあったジョエルとの喧嘩が激しくなり、彼女は彼の記憶をすべて消して、プレゼントを持って本屋に来た彼を見知らぬ人として扱う。やがて、ジョエルの贈り物や言葉をなぞって口説くパトリックとつきあい始める。ジョエルの頭の中では、記憶の中の彼女が彼を助けて身を隠し、最後に残った出会いの浜辺で、モントークで会いましょうと告げる。バレンタインデー、彼女もモントークにいて、帰りの列車でジョエルに話しかける。やがてメアリーの送ったテープで、互いがかつて相手をどう語ったかを聞き、部屋を出ていく。追ってきた彼に、きっとまた傷つけ合うと告げるが、いいよという答えに、ふたりはやり直すことにする。

  • キルスティン・ダンストメアリー役

    ラクーナ社の受付係。創業者に想いを寄せ、会社がかつて自分から奪ったものを知る。

    メアリーの物語

    メアリーはラクーナ社の技術者スタンとつきあいながら、創業者ハワードとその仕事への憧れを隠せない。ジョエルの手術の夜、彼女はスタンのいるアパートに来て、眠るジョエルのそばでマリファナを吸い、はしゃぎ回る。手術を立て直しに来たハワードに、ポープの詩を暗唱してみせ、愛していると告げてキスをする。窓越しにふたりを見たハワードの妻は、本当のことを話せと夫に迫る。ふたりは以前にも関係を持ち、メアリーはその記憶を消していたのだ。自分のテープに残された、その恋を語る自分の声を聞いたメアリーは、仕事を辞める。そして会社の記録を持ち出し、ジョエルとクレメンタインを含む患者全員に、それぞれのファイルとテープを送りつける。

  • マーク・ラファロスタン役

    一晩でジョエルの記憶を消すラクーナ社の技術者。メアリーとつきあっている。

  • イライジャ・ウッドパトリック役

    若い技術者。消されたジョエルの記憶を使ってクレメンタインに近づく。

  • トム・ウィルキンソンハワード・ミュージワック博士役

    記憶除去の手術を生み出したラクーナ社の創業者。自分の秘密もそれで葬っていた。

この作品が問いかけるもの

『エターナル・サンシャイン』は、別れを経験した人なら誰もが一度は胸の内で願うことを映画にした。この記憶を、ただ消してしまえたら。作品はその願いの代償を見せる。ジョエルの記憶はいちばん苦いものから順に消え、いちばん幸せなものへと遡っていく。彼を自由にするはずの手術が、なぜクレメンタインを愛したのかを思い出させてしまうのだ。恋人たちの周りには、同意と力をめぐるもうひとつの物語がある。若い受付係が、かつて上司と関係を持ち、その記憶を彼の会社で消していたことを知る。カウフマン、ゴンドリー、ビスマスはアカデミー脚本賞を受け、ケイト・ウィンスレットは主演女優賞の候補になった。結末は治癒を約束しない。互いのどこを嫌いになるのかを聞いてしまったふたりが、それでももう一度を選ぶ。それが知恵なのか、同じ過ちなのか、映画は答えない。