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Cinema 月明かりの映画館

“性”をダイジェスト

Sex, Explained

2020ドキュメンタリーアメリカ

465作品の星図のなかで見る

ストーリー

結末まで書いています。

空想、魅力、避妊、妊娠、出産を5つの短い回で。難しい話の前に送るための入門編。

『“性”をダイジェスト』は、解説メディアのヴォックスが手がける『世界の“今”をダイジェスト』から生まれた全5話の番組で、2020年1月2日に配信された。ナレーションは歌手で俳優のジャネール・モネイ。1話は17分から26分。どの回も素朴な問いから出発し、アニメーションと統計、研究者やふつうの人々、ときには有名人へのインタビューで答えを探していく。

第1話は性的な空想を扱う。どれほど個人的に思えても、空想の多くは三つの型に収まるという。複数の相手とのセックス、目新しさ、そして力や支配だ。コメディアンのマーガレット・チョーは、支配と服従のプレイを楽しむ理由を語り、心理学者のリサ・ダイアモンドは、自分を不安にさせる空想も、その人が何者かをほとんど語らないと請け合う。第2話は、人がなぜ特定の相手に惹かれるのかを、異性愛、同性愛、ジェンダーの揺らぐ人々にわたって問い、性的指向の異なる一卵性双生児の例を挙げながら、胎内から始まる環境の影響に重きを置く。第3話は避妊の歴史をたどり、深刻な副作用、同意のない人体実験、強制や強要による不妊手術にふれ、男性たちに自分なら避妊薬や注射を使うかと尋ねる。第4話は女性だけでなく男性の不妊、精子数の減少、高齢の父親の精子がはらむ危険、体外受精で生まれた最初の子ども、同性カップルやひとり親にとっての不妊を取り上げ、不妊治療医のシャーマン・シルバーが卵巣組織の凍結を説明する。シリーズの最後は出産だ。世界では毎日約800人の女性がお産で命を落とし、最大3割が出産をつらい体験として記憶している。人類学者のホリー・ダンズワースは、人間の出産がほかの霊長類よりも難しい理由を説き、番組は医療介入の連鎖が帝王切開の増加につながる過程と、無痛分娩を選んだり手術を必要としたりした女性が恥を感じてしまう現実を追う。

主な出演

  • ジャネール・モネイナレーション

    歌手で俳優。空想から出産まで、全5話を遊び心のあるナレーションで運ぶ。

  • リサ・ダイアモンド本人

    心理学者。複数の回に登場し、不安をかき立てる空想もその人の本質をほとんど語らないと請け合う。

  • マーガレット・チョー本人

    コメディアン。空想の回で、支配と服従のプレイを楽しむ理由と、それが健全なはけ口になることを語る。

  • シャーマン・シルバー本人

    不妊治療医。卵巣組織の凍結や、卵子に精子を1個だけ注入する治療について説明する。

  • ホリー・ダンズワース本人

    人類学者。最終回で、人間の出産がほかの霊長類より難しい理由を解き明かす。

この作品が問いかけるもの

この番組は、性教育を最後まで受けそこねた大人のために作られている。ある米国の評者は、医学的に正確な性教育を求める州は13しかないと書き出した。最初の2話は、人を安心させる役目を担う。空想はありふれたものであり、惹かれる相手の好みは、自分で選ぶよりずっと前に形づくられているのだと。後半の3話は生殖へ向かい、語り口は重くなる。同意のないまま試された避妊法、女性に強いられた不妊手術、男性より女性ばかりを調べてきた不妊研究、そして多くの女性がつらい記憶として抱える出産。性についての番組が、なぜ妊娠と出産にこれほど時間を割くのかと首をかしげる批評家もいた。答えのひとつは、女性にとって性とその結果が切り離せたことはほとんどなく、その結果をめぐる決定の多くが、女性に尋ねることなく下されてきたということだろう。