EN
メニュー

Cinema 月明かりの映画館

バチェラー(米国版)

The Bachelor

2002–2026リアリティアメリカ

465作品の星図のなかで見る

ストーリー

結末まで書いています。

ローズセレモニーの原型。人種、編集、「正しい理由でここにいるか」をめぐる20年の論争。

この番組は、マイク・フライスが企画し、2002年3月からアメリカの地上波で放送されている恋愛リアリティ番組で、日本版『バチェラー・ジャパン』の元になった。一人の男性が大勢の女性と出会い、週ごとに候補を絞っていく。グループデート、一対一のデート、そしてバラを受け取れなかった女性が去るローズ・セレモニー。終盤には家族との対面、一夜を共にできる特別なデート、そして最後のバラがあり、伝統的にはそこでプロポーズが行われる。その後の特番では、主役と最後に残った二人がトーク番組の舞台で顔を合わせる。最初の25シーズンの司会はクリス・ハリソンだった。

週ごとに詳しく記録されている2021年のシーズン25の主役は、ノースカロライナ州ローリーの28歳の不動産仲介業者で、慈善団体の創設者でもあるマット・ジェームズ。番組初の黒人男性の主役だった。感染症の流行のため、撮影はすべてペンシルベニア州のリゾート施設に隔離して行われた。32人の女性が集まり、3週目に5人が加わる。この番組の歴代で初めての耳の聞こえない参加者アビゲイル・ヘリンジャーが、最初の夜のバラを受け取った。最後の4人はミシェル、レイチェル、ブリ、セリーナ。疎遠だった父マニーが訪ねてきて、マットは父とのこじれた関係について語り合う。一夜を共にするデートのあとブリが去り、最終回でマットはミシェル・ヤングに別れを告げ、24歳のグラフィックデザイナー、レイチェル・カークコネルに、プロポーズはせずに最後のバラを渡した。

本当の結末は番組の外で訪れた。2021年2月、カークコネルがネット上で人種差別的な投稿に「いいね」をしていたと指摘され、2018年に南北戦争前の農園をテーマにした大学の社交パーティーに出ていた写真も出回った。彼女は謝罪した。ハリソンは公の場で彼女を擁護したのち謝罪し、身を引いて最終特番の司会を降り、6月には番組を完全に去った。代わりにエマニュエル・アチョが司会を務めた特番で、マットがすでにレイチェルと別れていたことが明かされる。ふたりは2021年4月によりを戻したが、2025年1月に完全に別れた。ケイティ・サーストンとミシェル・ヤングは、その後、女性が主役の姉妹番組で続く二つのシーズンの主役を務めた。

主な出演

  • クリス・ハリソン司会

    最初の25シーズンの司会者。出場者を擁護した発言が批判され、このシーズンの最終特番を前に身を引いた。

  • マット・ジェームズ本人(バチェラー)

    ノースカロライナ州ローリーの不動産仲介業者で、慈善団体の創設者。番組初の黒人男性の主役。

  • レイチェル・カークコネル参加者

    最後のバラを受け取る24歳のグラフィックデザイナー。過去の言動がシーズン最大の論争になる。

  • ミシェル・ヤング参加者

    最終回で別れを告げられた準優勝者。のちに女性が主役の姉妹番組で第18シーズンの主役を務めた。

  • アビゲイル・ヘリンジャー参加者

    番組の歴代で初めての耳の聞こえない参加者。人工内耳のことを打ち明け、最初の夜のバラを受け取る。

  • エマニュエル・アチョ司会(最終特番)

    人種をめぐる対話の本がベストセラーになった作家。ハリソンに代わって最終特番の司会を務めた。

この作品が問いかけるもの

この番組は、求愛を人前での脱落の儀式に変え、二十年以上にわたって、その儀式が報いるのは誠実さなのか演技なのか、「正しい理由」なのかカメラなのかをめぐって、自らと言い争ってきた。シーズン25は、その議論を人種へと向かわせた。この番組の主役も出場者も、長いあいだほとんどが白人で、黒人の男性が主役になるまでに25シーズンかかった。最終候補者の過去がネット上で掘り起こされ、19年にわたって番組の顔だった司会者が彼女を擁護すると、その余波が彼の降板を招き、シーズンの本当の山場は人種差別をめぐる議論になった。人前で選ぶことを土台にした番組が、私的な過去を公の審判に変えてしまう仕組みも見えてくる。対照的に、日本版では主役と参加者の性行為は一切許されていない。同じ恋愛劇でも、演出のされ方はこれほど違う。